LAN配線の基礎知識と最適な設計・配線方法|自宅・オフィスでネットワーク環境を快適に整えるために
 「自宅や新しいオフィスでインターネットを快適に使いたいけど、LAN配線って難しそう」「どんなケーブルや部材を選べばいいの?」「壁の中を通すのはプロに頼むしかない?」―そんな不安や疑問をお持ちの方へ。
 この記事では、LAN配線の基礎から、自宅や小規模オフィスで失敗しないネットワーク配線設計、壁内配線の注意点、おすすめの配線方法まで、初心者の方でも分かりやすく丁寧に解説いたします。
 これからLANケーブル配線にトライしたい方も、業者選びに悩んでいる方も、トラブルを防ぎ自分に合った最適なLAN配線のやり方が分かるようになりますよ。
1. そもそもLAN配線とは?基本用語と必要性
LAN配線の役割とメリット
 LAN配線とは、パソコンやプリンター、テレビ、ゲーム機、スマート家電などをインターネットや各種ネットワーク機器につなぐための「有線ネットワークの通り道」を作ることです。
 無線LAN(Wi-Fi)が普及した今でも、有線LANによるネットワーク配線には次のようなメリットがあります。
- 通信が安定して速い(特に動画視聴やゲーム、テレワークに最適)
 - 外部からの電波干渉がなくセキュリティ面で安心
 - 複数の部屋やフロアでも確実に接続できる
 
そのため、Wi-Fiだけでは不満がある方や、在宅ワーク・オンライン授業・趣味の動画編集など快適な通信環境を求める方にとって、しっかりとしたLAN配線はとても重要なのです。
LAN配線で使う主な用語を簡単解説
- LANケーブル:機器同士を有線でつなぐケーブル。カテゴリー(CAT5e〜CAT8など)によって最大通信速度やノイズ耐性が異なる。
 - ルーター:インターネットの入り口。回線と各機器を中継する役割。
 - スイッチングハブ:LANケーブルの分岐点。複数の機器を一度にLAN接続できる。
 - モジュラージャック/プレート:壁や床などに埋め込むLANケーブルの差し込み口。
 - 壁内配線:見た目をすっきりさせるため、壁の中を通す配線方法。
 
2. 自宅LAN配線の基本ステップ|初心者でもわかる設計の考え方
配線計画の大切さ
 「いきなりケーブルを買ってきて、思いつきで配線を始めてしまう…」
 こうしたやり方では、後から「ケーブルが届かない」「見た目が悪い」「速度が遅い」といったトラブルの原因になりがちです。
 快適なLAN配線の第一歩は、「どこに・何を・どうやって」つなげたいかを明確にしてから、計画的に設計することです。
ネットワーク配線設計の5つのポイント
- どの部屋・場所でLANを使いたいか(リビング、書斎、子ども部屋など)
 - 接続する機器の台数や用途(PC、テレビ、ゲーム機、プリンターなど)
 - インターネット回線の引き込み場所(光回線の終端装置の位置)
 - 配線ルート(床や壁沿い、壁内を通すかどうか)
 - 必要なLANケーブルの長さ・スペック(カテゴリ選定)
 
実際には、あらかじめ部屋の図面を用意し、ルーターやハブ、各通信機器の配置を簡単に書き込んでみるとイメージしやすくなります。
おすすめ配線図の例
例えば、リビングにルーターを置き、各部屋にLANジャックを設ける場合は、下記のようなイメージです。
- リビング(ルーター・スイッチングハブ設置)
 - 書斎(パソコン用LANジャック)
 - 子ども部屋(ゲーム機用にLANジャック)
 - 寝室(テレビやスマート家電用LANジャック)
 
各部屋のLANジャックから壁内配線でリビングまでケーブルを集約し、ハブにつなげるのが一般的です。
3. LANケーブル配線方法の種類と特徴
主な3つのLAN配線方法
- 露出配線:壁や床の上にケーブルを這わせる方法。設置が簡単でDIY向き。
 - モール配線:ケーブルを配線モール(プラスチックのカバー)に収めて見た目をすっきりさせる方法。
 - 壁内配線:壁や天井の内部を通して、各部屋にLANジャックを設置する本格的な方法。新築やリフォーム時、または専門業者に依頼して行うことが多い。
 
それぞれのメリット・デメリット
| 配線方法 | メリット | デメリット | 
|---|---|---|
| 露出配線 | 安価・手軽・DIYで対応しやすい | 見た目が損なわれやすい・つまづきやすい | 
| モール配線 | 配線が目立たない・安全性が高まる | 設置に手間がかかる・壁の美観に影響することも | 
| 壁内配線 | 美観・安全性が最高・資産価値も向上 | 施工に専門知識や工具が必要・後付けはハードルが高い | 
おすすめはどれ?シーン別アドバイス
- 賃貸やすぐに試したい場合→露出配線やモール配線が無難
 - 新築や大規模リフォーム→壁内配線で美しく・将来的な拡張性も確保
 - 小規模な追加や一時的な用途→モール配線がバランス良し
 
4. LANケーブルの選び方と失敗しないポイント
LANケーブルのカテゴリ(規格)を理解する
 LANケーブルは「CAT5e」「CAT6」「CAT6A」「CAT7」「CAT8」などのカテゴリがあります。これは通信速度とノイズ耐性(シールド性能)の指標です。
 一般家庭やSOHOなら、現状は「CAT6」または「CAT6A」を選んでおけば、ほとんどの高速インターネット回線(最大1Gbps~10Gbps)に対応できます。
- CAT5e:最大1Gbps/一般的な用途なら今でも使えるが、将来的な拡張性はやや不安
 - CAT6:最大1Gbps~10Gbps/ノイズにも強く、コスパ良好
 - CAT6A:最大10Gbps/業務用・高品質志向の方におすすめ
 - CAT7・CAT8:業務用や特殊用途向け(一般家庭ではオーバースペック)
 
また、ケーブルには「ストレート」と「クロス」がありますが、家庭用なら「ストレート型」を選ぶのが一般的です。
長さ・柔軟性・色にも注意を
- 必要な長さより少し長め(予備分含む)を選ぶ
 - 配線しやすい柔らかさのあるものを選ぶ
 - 床や壁の色に合わせてケーブル色を選ぶと見た目が良い
 - 屋外や壁内配線には耐熱・耐候性の高いケーブルを選ぶ
 
ケーブル選びのチェックリスト
- 通信速度や回線プランに合ったカテゴリか
 - 設置環境に適した柔軟性・耐久性か
 - 必要な長さが足りているか(曲げや余裕も考慮)
 - 信頼できるメーカー・規格品か
 
5. 実践!初心者向けLANケーブル配線手順
DIYでできる露出・モール配線のステップ
ここでは、専門工事不要でできる「露出配線」「モール配線」の方法を具体的にご紹介します。
-  1. 配線ルートの確認
床・壁沿いなど安全で邪魔にならないルートを決めます。コンセントやドアの開閉、家具配置も考慮しましょう。
 -  2. ケーブルの長さを測る
ルートに沿って必要な長さを計測し、予備分も含めて購入します。
 -  3. ケーブル敷設
床や壁に直接這わせる場合は、必要に応じてテープやクリップで固定します。
 -  4. モールの設置(必要な場合)
配線用モールを壁や床に貼り付け(両面テープやネジ留め)、その中にケーブルを収めます。
 -  5. 接続テスト
パソコンや機器にケーブルをつなぎ、通信速度や接続状況を確認しましょう。
 
トラブル防止のポイント
- ドアや戸の隙間を通す場合は、ケーブルが断線しないように保護カバーやフラットケーブルを使う
 - 家具の下に配線する場合は、踏みつぶし・断線に注意
 - 配線の途中でねじれ・強い曲げを作らない
 - ケーブル同士や電源ケーブルと束ねない(ノイズ・速度低下の防止)
 - 床や壁を傷つけたくない場合は、両面テープタイプのモールが便利
 
6. 壁内配線のポイントと注意点
壁内配線はなぜ人気?
 壁内配線は、建物の構造を活かして「見えない」場所にケーブルを通せるため、部屋の美観が損なわれず、ケーブルによる転倒リスク等も防げるのが魅力です。
 新築やリフォーム時に設計から組み込むのが最適で、資産価値向上やスマートハウス化の基礎にもなります。
壁内配線を検討する時のポイント
- 既存住宅に後付けする場合、壁内部に空配管(CD管等)が通っていればスムーズ。なければ施工に大きな手間と費用がかかることも。
 - 耐熱・耐候性のあるLANケーブル(屋内・屋外用)を選ぶ。
 - 複数部屋・将来の増設も考え、余裕のある配管・配線スペースを確保。
 - ファイヤーストップ(耐火区画)を貫通する場合は、規定に則った処理を行う。
 - 施工には専用工具や技術が必要なため、初心者は無理せず専門業者に依頼が安全。
 
壁内配線の流れ(新築・リフォーム時の場合)
- 配線図を作成し、コンセントと同様に各部屋にLANジャック(モジュラープレート)設置位置を決める
 - 天井裏や床下など、見えない場所にLANケーブルを配管・敷設
 - 各部屋の壁面にジャックを埋め込み、必要に応じてラベル表示
 - リビングや通信機器集約箇所にハブ・ルーターを設置して分岐
 - すべての機器で動作・速度をテスト
 
DIYで壁内配線はできる?
 簡単なケース(たとえば配管がすでにある、開口部がある等)を除き、
 壁内配線は電気工事士など専門資格が必要な作業となる場合が多いため、トラブル防止や安全のためにも、基本的にはプロに依頼するのがおすすめです。
7. LAN配線でよくあるトラブルとその対策
ネットワークが遅い・つながらない理由
- ケーブルの断線・劣化や未対応カテゴリ使用
 - コネクタ(RJ45)部分の接触不良
 - 配線が長すぎ(100m以上)や強い曲げによる信号減衰
 - 隣接した電源ケーブルなどからのノイズ干渉
 - ハブやルーターの設定ミス・機器の故障
 
トラブル防止のためのチェックリスト
- LANケーブルのカテゴリと配線距離を確認
 - ケーブル・コネクタ部に緩みや断線がないか確認
 - 配線ルートで急な曲げや重いものが上に乗っていないか
 - ハブやルーターのランプ表示をチェック(リンク/アクティブ/エラー等)
 - 必要に応じて速度計測サイトや専用テスターで通信テスト
 
万一トラブルが起きた場合は?
- まずは配線の見直しと再接続(機器の再起動)を試す
 - ケーブルを別のものに交換し、症状が改善するか確認
 - ルーターやハブの初期化・設定の再確認を行う
 - 機器の故障が疑われる場合はサポート・専門業者に相談
 
8. まとめ|安心・快適なLAN配線でネットワーク環境をワンランクアップ!
 LAN配線は敷居が高いイメージがあるかもしれませんが、ポイントを押さえて計画的に進めれば、初心者の方でも快適なネットワーク環境を手に入れることができます。
 特に自宅LAN配線や小規模オフィスなら、まずは露出配線やモール配線から始めてみるのがおすすめです。
 壁内配線やネットワーク配線設計を本格的に行う場合も、しっかりとした計画と信頼できる専門家の力を借りることで、トラブルや将来的な後悔を防ぐことができます。
 「このやり方で合っているかな?」「配線の最適なルートが分からない」「やっぱり専門家に相談したい」
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