事務所の原状回復にかかる期間と費用は?退去準備の流れとトラブル対策ガイド
 事務所の退去が近づくと、「原状回復ってどのくらい時間がかかる?」「思わぬ費用を請求されたらどうしよう…」と不安になる方も多いのではないでしょうか。オフィスの引っ越しや解約は、初めての経験だと分からないことだらけ。
 本記事では、事務所原状回復の期間や費用相場、スムーズな退去のためのポイント、実際に起こりやすいトラブルとその対策まで、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。
 読んでいただくことで、原状回復に必要な準備や注意点、トラブルを避けるためのコツまで具体的に把握でき、安心して退去日を迎えられるはずです。
事務所の原状回復とは?まず押さえておきたい基本知識
 原状回復とは、事務所やオフィスを賃貸した際、契約終了時に室内を「借りたときの状態」に戻すことをいいます。住宅とは異なり、事務所の場合はレイアウト変更や設備工事が多いので、原状回復工事が発生することがほとんどです。
 退去時のトラブルや追加費用を防ぐためにも、まずは「原状回復」とは何かをしっかり理解しておくことが大切です。
原状回復の範囲はどこまで?
 原状回復の範囲は、入居時の状態にまで戻すのが原則ですが、具体的には契約書の内容や貸主・管理会社の方針によって異なります。
 一般的に、以下のような箇所が対象となります。
- 間仕切り壁やパーテーションの撤去
 - 床材(タイルカーペット・フローリングなど)の張り替え
 - 照明・空調機器の取り外しや原状復旧
 - 塗装やクロスの補修・張り替え
 - ドア・窓・サッシなどの修繕
 - 電気・電話・LAN配線の撤去・整備
 - 設備機器・什器の撤去と清掃
 
なお、「通常の使用による経年劣化」や「自然損耗」は原則として原状回復義務に含まれません。ただし、故意・過失による破損や改修部分は回復対象となるため注意しましょう。
原状回復の流れを簡単にチェック
- オフィス賃貸解約の申し出(通常3~6ヶ月前)
 - 退去前の現地立ち合い・現状確認
 - 見積り・業者選定・工程打合せ
 - 原状回復工事の実施
 - 工事完了後の最終確認・引渡し
 - 敷金精算・明け渡し
 
トラブルを防ぐためにも、退去時には「どこまで直すべきか」を管理会社や貸主としっかり確認しておきましょう。
原状回復工事にかかる期間の目安
 「いつから原状回復を始めれば間に合う?」「どのくらい工事期間が必要?」と気になる方も多いでしょう。
 原状回復工事にかかる期間は、事務所の広さや内装の状況、工事の内容によって大きく異なります。余裕を持ったスケジュールを組むことがスムーズな退去のカギです。
一般的な原状回復期間の目安
- 小規模オフィス(20~50㎡程度):2日~1週間
 - 中規模オフィス(50~100㎡程度):1~2週間
 - 大型オフィス(100㎡超):2週間~1ヶ月
 
 例えば、間仕切りや設備の撤去が多い場合や、特別な工事(床全面張替え・天井工事・大規模な空調復旧など)が必要な場合は、さらに日数がかかることもあります。
 工事業者の繁忙期(3月・9月など)は、スケジュールが埋まりやすいので早めの相談・予約がおすすめです。
工事スケジュールの注意点
- 見積りや現地調査に数日~1週間かかることが多い
 - 工事許可申請やビル管理組合との調整で日数が必要な場合がある
 - 工事後の立ち合い・最終チェックに1日程度
 - ビルによっては夜間・休日工事のみ許可されている場合も
 
「退去日ギリギリに工事を依頼してしまい、間に合わなかった」などのトラブルを防ぐため、解約通知後すぐに原状回復の見積もり・相談を始めることが重要です。
オフィス賃貸解約から退去までの流れと準備
オフィスの賃貸解約は、住宅とは違い、事前準備や管理会社・貸主との調整が多いものです。計画的に進めることで、無駄な出費やトラブルを防ぐことができます。
1. 解約通知の提出
 まず、契約書で定められた「解約予告期間」内に解約通知を提出します。多くの場合、3ヶ月~6ヶ月前までに書面で通知が必要です。
 契約書の内容を必ず確認し、通知期日を守りましょう。
2. 退去前の準備・現地確認
退去が決まったら、以下の準備を行います。
- 備品・什器・家具などの搬出計画
 - 重要書類やデータの整理・廃棄
 - パーテーションや什器の取り外し日程調整
 - 管理会社・ビル側との現地立ち合い日時の調整
 
現地確認時には、「原状回復の範囲」や「補修が必要な箇所」を貸主・管理会社と一緒に確認して、書面や写真で記録を残しておくと安心です。
3. 業者の選定と見積もり比較
 原状回復工事は、貸主指定業者でなくても自分で業者を探して依頼できる場合があります。
 複数業者から見積もりを取り、工事範囲や金額を事前にしっかり比較しましょう。
 業者選びの際は、オフィス原状回復の経験が豊富な業者か、見積もりに不明点がないか、アフターフォローの有無もチェックポイントです。
4. 工事~退去までの進行
- 工事日程の調整(ビル管理会社や隣接オフィスへの連絡も忘れずに)
 - 工事の実施(現場確認・進捗状況の把握)
 - 工事完了後の貸主・管理会社立ち合い
 - 最終清掃・引渡し
 - 敷金精算・明け渡し書の締結
 
原状回復工事後、貸主のチェックで追加補修が必要と言われることもあるため、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
原状回復にかかる費用の目安と内訳
「原状回復費用っていくらかかるの?」は誰もが気になるポイントです。相場や内訳を知ることで、予算の見通しを立てやすくなります。
事務所原状回復費用の相場
- 小規模オフィス(20~50㎡):20万円~50万円
 - 中規模オフィス(50~100㎡):50万円~120万円
 - 大型オフィス(100㎡超):120万円~300万円以上
 
※上記金額は一般的な目安であり、実際の費用はオフィスの状態や工事項目、立地・ビルの仕様によって大きく変わります。
費用の主な内訳
- 間仕切り壁やパーテーション撤去
 - 床材・タイルカーペットの張替え
 - 天井・壁のクロス張替えや塗装
 - 照明や空調機器の取り外し・復旧
 - 配線撤去・コンセント修復
 - 美装・清掃費用
 - 産業廃棄物の処分費用
 
また、ビルによっては「指定業者」での工事や、特定の工事項目が追加される場合もあります。見積もり内容の明細をしっかり確認しましょう。
費用削減・トラブル防止のチェックポイント
- 複数業者から見積もりを取得して比較する
 - 契約書・原状回復範囲を事前に明確化する
 - 「借りたときの状態」の写真や記録を残しておく
 - 原状回復工事費用の分担(貸主・借主)を確認
 - 追加請求がないよう、工事完了後の立ち合いを徹底する
 
「思った以上に高額な請求が来た…」といったトラブルにならないよう、しっかりと準備・確認しましょう。
原状回復トラブル事例と防止策
事務所の原状回復では、契約内容や工事範囲をめぐるトラブルが少なくありません。よくある事例と、その防止策を紹介します。
よくあるトラブル事例
- 契約書に記載のない項目まで回復工事を要求された
 - 工事完了後に「追加工事費用」を請求された
 - 敷金から高額な費用が差し引かれ、返金がなかった
 - 原状回復業者の仕上がりが悪く、再工事となった
 - 貸主立ち合い時に「修理不足」と指摘され引渡しが延期
 
トラブル防止のポイント
- 契約書をよく読み、原状回復範囲や負担区分を明確にする
 - 現地確認時には貸主・管理会社と写真やメモで記録を残す
 - 見積もり内容を詳細にチェックし、不明点は必ず質問する
 - 工事完了時は立ち合いの上、引渡しチェックリストを用いる
 - 必要に応じて第三者(専門業者・コンサル)に相談する
 
特に、解約通知から退去までのスケジュールがタイトな場合は、余裕をもって準備を進めることで多くのトラブルを回避できます。
退去時のチェックリスト|原状回復で失敗しないために
スムーズな明け渡しのためには、計画的な退去前準備が大切です。以下のチェックリストを活用して、抜け漏れのないよう進めましょう。
退去チェックリスト(例)
- 賃貸契約書の原状回復条項を再確認
 - 解約通知の提出(期日・内容・受領証の保管)
 - テナント内(壁・床・天井・設備)の現状写真撮影
 - 什器や備品・ゴミ・書類の整理・処分手配
 - パーテーション・間仕切りなどの撤去計画
 - 業者への見積もり依頼・比較・発注
 - ビル管理会社への工事申請・調整
 - 原状回復工事の日程調整・工程表の作成
 - 工事中の進捗状況の確認
 - 工事完了後の貸主・管理会社との立ち合い
 - 引渡し書類の作成・サイン・敷金精算
 
このリストを1つずつ確実に進めれば、慌てずスムーズに退去日を迎えることができます。
まとめ|原状回復の期間と費用を把握し、安心して退去するために
 事務所の原状回復は、「何をどこまで戻すのか」「いつまでに・いくら必要か」を事前にしっかり把握することで、トラブルや余計な出費を避けることができます。
 オフィス賃貸解約から原状回復、引渡しまでには多くの手続きや調整が必要ですが、早めの準備と信頼できる業者選びが成功のポイントです。
 本記事の流れやチェックリストを参考に、余裕を持ったスケジュール管理と情報整理を心がけてください。
 「一人で準備するのは不安…」「トラブルが心配」そんな時は、原状回復や事務所移転に精通したプロに相談・依頼するのが安心です。
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