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生コンとは?現場で失敗しない使い方と選び方を徹底解説【初心者でも安心】

  1. 生コン(なまコン)って何?現場で迷わない基礎知識から発注・打設・養生のコツまで
  2. 現場ワード(キーワード)
    1. 定義
  3. 生コンの基礎知識(まずはここから)
    1. 生コンとセメント・モルタルの違い
    2. どんな場所で使う?内装との関係
  4. 現場での使い方
    1. 言い回し・別称
    2. 使用例(3つ)
    3. 使う場面・工程
    4. 関連語
  5. 仕様の決め方(注文のしかた)
    1. 発注時に伝える基本項目
    2. 時間管理が命
  6. 受け入れ時のチェックポイント
  7. 打設の段取りとコツ
    1. 搬入・打込み
    2. 締固め(バイブレーター)
    3. 均し・レベル出し
  8. 養生(ひび割れと仕上がりを守る)
  9. よくある不具合と現場対策
    1. 表面ひび割れ(プラスティッククラック)
    2. ジャンカ(粗骨材の露出)
    3. レイタンス(表面の白い脆弱層)
    4. レベル不良・波打ち
  10. 安全・衛生(絶対に守る)
  11. 内装職人向け:モルタルとの住み分け
  12. 規格・品質の目安
  13. メーカー・供給体制について(参考)
  14. 数量の拾い方とロスの考え方
  15. 段取りチェックリスト(内装現場向け)
  16. Q&A(初心者の疑問に答えます)
    1. Q1. スランプって何cmにすればいい?
    2. Q2. 呼び強度24と27、どっちを選ぶ?
    3. Q3. 仕上げ時に白い粉が出た(レイタンス)。どうする?
    4. Q4. 途中で雨が降ったら?
  17. 言い回し集(現場でそのまま使える)
  18. 品質を左右する“やってはいけない”
  19. まとめ:生コンを味方にすれば、内装の仕上がりが変わる
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生コン(なまコン)って何?現場で迷わない基礎知識から発注・打設・養生のコツまで

「生コンってよく聞くけど、モルタルやセメントと何が違うの?」「どんな風に頼めばいいの?」「内装の現場でも関係あるの?」——はじめて建設内装の現場に入ると、こうした不安がつきものですよね。本記事では、職人が日常的に使う現場ワード「生コン」を、やさしい言葉で丁寧に解説。基本の意味から、現場での言い回し、発注のポイント、打設・仕上げ・養生のコツ、トラブル対策まで、初心者がつまずきやすい所を実践的にまとめました。読み終える頃には、「今日の段取り、もう大丈夫」と自信を持てるはずです。

現場ワード(キーワード)

読み仮名なまコン
英語表記Ready-mixed concrete(RMC)

定義

生コン(レディーミクストコンクリート)は、工場(生コンプラント)でセメント・水・砂(細骨材)・砂利(粗骨材)・必要に応じて混和剤を規格に沿って計量・練り混ぜたコンクリート。ミキサー車で現場に運ばれ、到着後すぐに打設できる状態の材料を指します。日本では一般にJIS A 5308(レディーミクストコンクリート)の規格に適合したものを用います。

生コンの基礎知識(まずはここから)

生コンとセメント・モルタルの違い

セメントは「粉体のバインダー(のり)」そのもの。モルタルは「セメント+水+砂」の材料。コンクリート(=生コン)は「セメント+水+砂+砂利(石)」に加え、性能を調整する混和剤を加えたものです。石が入っている分、コンクリートは強度や耐久性に優れ、基礎・柱・床スラブ・土間など構造・下地で広く使われます。

どんな場所で使う?内装との関係

生コンは構造主体の材料ですが、内装の現場でも次のような場面で関係します。

  • 改修工事での土間コンクリートの打ち直し(工場・倉庫・店舗の床下地など)
  • 床スラブの段差調整やピットの埋め戻し(設備更新時など)
  • 軽量間仕切りの下地補強(荷重分散・耐久性確保)

内装での仕上がり品質(平滑・レベル・ひび割れ)に直結するため、仕上げ・養生の配慮が大切です。

現場での使い方

言い回し・別称

現場では次のように呼ばれます。

  • 生コン/レミコン(Ready-mix concrete の略)
  • ミキサー車(生コン車)=生コンを運ぶトラック
  • 生コン屋/プラント=供給する工場(会社)
  • 呼び強度○○、スランプ○○、Gmax(粗骨材最大寸法)○○の「呼び方」=注文条件

使用例(3つ)

  • 「明日、呼び強度24のスランプ18で2立米、朝一で取って。Gmaxは20ね。」
  • 「今日は土間打ちだから、打込みはチューブでいく?それとも一輪車で小運搬?」
  • 「昼イチのミキサー、渋滞で押してるって。先に型枠と配筋の最終チェック済ませよう。」

使う場面・工程

代表的な工程は以下の通りです。

  • 事前段取り:型枠・配筋・墨出し・レベル基準の準備、搬入経路・車両スペースの確保
  • 受け入れ・検査:スランプ・空気量・温度の確認、納品伝票(ミルシート)のチェック
  • 打設:打込み、締固め(バイブレーター)、均し
  • 仕上げ:木ゴテ→金ゴテ→機械(パワートロウェル)などの順で必要に応じて
  • 養生:保湿・保温・通行制限、初期ひび割れ対策

関連語

  • スランプ:やわらかさ(ワーカビリティ)の指標
  • 呼び強度:発注時に指定する目標強度(例:24N/mm²)
  • AE(減水)剤:空気微細泡を含ませ耐凍害性・作業性を高める混和剤
  • Gmax:粗骨材最大寸法(一般に20mmなど)
  • 打設・締固め・養生:施工の三本柱

仕様の決め方(注文のしかた)

発注時に伝える基本項目

初めてでも、次のセットを押さえればスムーズです。

  • 呼び強度(例:24N/mm²)
  • スランプ(例:12cm、18cm、21cm など、現場の施工性と仕様書に合わせる)
  • 粗骨材最大寸法(例:20mm)
  • セメントの種類(普通、早強など。仕様書指示がなければ一般に普通)
  • 空気量(例:4.5±1.5%など。規格・仕様に準拠)
  • 数量(m³=立方メートル。拾い出しは余裕を見て5%程度上乗せが現場慣行)
  • 納入日時・台数・打設順序(車両間隔)・現場条件(ポンプ有無、手押し等)

不明点があれば、施工計画書や設計図書(仕様書)を確認し、プラントの技術担当に相談しましょう。「土間で鏝押さえ仕上げ」「ポンプを使わず一輪車で運搬」「搬入動線が狭い」などの条件を伝えると、適したスランプや配合の提案が得られます。

時間管理が命

生コンは時間とともに固まります。一般的な現場の運用目安として、練り混ぜから荷卸し・打込み完了までの時間をタイトに管理します(仕様書・JIS・現場規定に従う)。渋滞や遠距離搬入が予想される場合は、車両間隔や台数を調整し、待ち時間を最小化しましょう。

受け入れ時のチェックポイント

ミキサー車が到着したら、次を確認します。

  • 納品伝票:配合・呼び強度・スランプ・Gmax・空気量の指示が合っているか
  • スランプ試験・空気量・温度:必要に応じて現場試験を実施(試験体採取も)
  • 見た目・分離:過度に水っぽい、骨材が偏る、など異常がないか

矛盾があれば、安易な加水は厳禁。まずはプラント・監督員に連絡し、指示を仰ぎます。

打設の段取りとコツ

搬入・打込み

ポンプ圧送が難しい小規模内装現場では、ミキサー車のシュート→一輪車→バケツ→所定箇所へ小運搬、という段取りが一般的です。通路の養生板やスロープ、養生シートで汚損・傷防止を徹底します。

締固め(バイブレーター)

過不足のない締固めが品質を左右します。差し込みは短時間・重ねながら・型枠や配筋に当てすぎないこと。過振動は分離(ジャンカ)やひび割れの原因になります。

均し・レベル出し

トンボやスクリーードで粗均し→木ゴテで目をつぶす→金ゴテで締める、の順が基本。床精度や仕上げ方法に応じて、「金ゴテ1回仕上げ」「2回押さえ」「パワートロウェル(通称ヘリ)」などを選びます。内装で床仕上げ材を貼る場合、レベル(高さ)・平滑性を厳密に管理すると後工程が格段に楽になります。

養生(ひび割れと仕上がりを守る)

打設後の初期養生は、強度発現とひび割れ抑制に直結します。

  • 保湿:散水、シート養生、キュアリング剤などで急乾燥を防止
  • 温度管理:寒中・暑中は保温・遮熱・打設時間帯の工夫
  • 通行制限:所定の強度が出るまで重量物の載荷を避ける

特に内装では気流(空調・送風)で急乾燥しやすいので、換気計画と養生を一体で考えます。仕上げ材を貼る時期は、設計・メーカー基準に従って含水率や平滑性を確認しましょう。

よくある不具合と現場対策

表面ひび割れ(プラスティッククラック)

原因:急乾燥・高温・風。対策:散水・シート養生・打設時間の配慮・過度なこて押さえを避ける。

ジャンカ(粗骨材の露出)

原因:型枠のすき間・締固め不足・分離。対策:型枠漏れ止め・適切なバイブレーション・落下高さを抑える。

レイタンス(表面の白い脆弱層)

原因:分離水・施工時の過度な加水。対策:余分なブリーディング水を除去、適切な仕上げタイミング。

レベル不良・波打ち

原因:基準が不明確、工程を急ぎすぎ。対策:レベル基準の明確化、人数・道具の適正配置、エリア分割。

安全・衛生(絶対に守る)

生コンは強アルカリ性で、皮膚に触れると炎症の恐れがあります。防水手袋・長袖・長ズボン・ゴーグルを着用し、付着したらすぐに水で洗い流してください。打設時の足場・通路の滑り対策、重量物の運搬時の腰・手指の保護も徹底しましょう。

内装職人向け:モルタルとの住み分け

薄塗りや細かい勾配調整にはモルタル、厚みがあり構造的に剛性が必要な下地や土間は生コン、という選択が実務上の目安です。たとえば、5〜20mm程度のレベリングは樹脂系の床下地材やセルフレベリング材、30mmを超える厚みや荷重がかかる床は生コン+メッシュ筋という組み合わせが定番です(最終判断は設計・メーカー仕様に従う)。

規格・品質の目安

多くの現場で、JIS A 5308に適合した生コンを使用します。仕様書に「呼び強度」「スランプ」「空気量」「粗骨材最大寸法」「セメント種別」「混和剤の種類」などの指定がある場合は、それを満たすことが前提。迷ったら設計・監督・プラントの技術者に必ず確認しましょう。

メーカー・供給体制について(参考)

生コン自体は各地域の生コンプラントが製造・供給し、セメントは以下のような国内大手メーカーが代表的です。

  • 太平洋セメント株式会社:国内最大級のセメントメーカー。各地のプラントに原材料を安定供給。
  • 住友大阪セメント株式会社:各種セメント・特殊セメントを展開。
  • UBE三菱セメント株式会社:セメント・コンクリート関連材料の大手。

実際の生コン納入は、地域の生コン協同組合や各社プラントが担うため、現場近傍の供給網・交通事情・工事規模を踏まえて手配します。

数量の拾い方とロスの考え方

必要数量(m³)は「長さ×幅×厚さ」で算出します。鉄筋や設備ピットなどの欠き込みを差し引きつつ、施工ロス・残コンリスクを考えて5%前後の余裕を見るのが現場の一般的な考え方です。現場搬入経路が長い、小運搬が多い、気温が高い(打設効率低下)などの場合は、さらに余裕を検討します。

段取りチェックリスト(内装現場向け)

  • 搬入計画:ミキサー車の待機スペース、通行許可、時間帯規制の確認
  • 養生:共用部・エレベーター・通路の汚損防止、床養生板の準備
  • 型枠・レベル:基準墨、天端レベル(レーザー)、伸縮目地の計画
  • 配筋・補強:ワイヤーメッシュやピンの浮き防止、かぶり厚さの確保
  • 工具:バイブレーター、トンボ、スクリーード、鏝、パワートロウェル(必要に応じて)
  • 人員配置:打込み班・締固め班・均し班・仕上げ班の役割分担
  • 養生計画:散水・シート・キュアリング剤、立ち入り禁止の表示

Q&A(初心者の疑問に答えます)

Q1. スランプって何cmにすればいい?

A. 仕上げ方法・配筋の密度・運搬方法で最適値が変わります。土間で手運搬が多いなら18〜21cm程度を選ぶことが多いですが、仕様書や監督の指示が最優先。やわらかくしたいからといって現場加水は厳禁です。必要なら混和剤や配合で調整を依頼します。

Q2. 呼び強度24と27、どっちを選ぶ?

A. 設計・仕様書に従います。内装の土間下地では24N/mm²が一つの目安として使われる例もありますが、用途・荷重・環境で変わります。不要に強度を上げると収縮ひび割れやコスト増の要因にも。設計者と協議しましょう。

Q3. 仕上げ時に白い粉が出た(レイタンス)。どうする?

A. 乾燥後にサンディングや軽研磨で脆弱層を除去し、下地処理材を適用のうえ仕上げ材を施工するのが基本です。原因(分離水・加水・タイミング)を次回に活かしてください。

Q4. 途中で雨が降ったら?

A. 打設直後はブルーシート等で雨養生。仕上げ後の降雨は表面を荒らすので、可能なら打設前に天候リスクを避ける計画へ。雨打たれ後は状態を見極め、表面補修や再仕上げを検討します。

言い回し集(現場でそのまま使える)

  • 「呼び24のスラ21、Gmax20で、AE入りね。」=注文仕様の指示
  • 「今日は2回押さえでフラットに仕上げたい。」=仕上げ工程の方針
  • 「初期は風強いから、打ったらすぐシート養生いこう。」=ひび割れ防止の段取り

品質を左右する“やってはいけない”

  • 現場での安易な加水:強度低下・分離・表面不良の原因
  • 過度なバイブレーター:分離・ジャンカ・かぶり不足の誘発
  • 急激な乾燥:プラスティッククラックの増加(送風・直射日光・高温に注意)
  • 早すぎる載荷:タイヤ跡・沈み込み・破損につながる

まとめ:生コンを味方にすれば、内装の仕上がりが変わる

生コンは「頼み方(呼び方)」「時間管理」「打設・締固め」「仕上げ・養生」の4点を押さえるだけで、初めてでも失敗を大きく減らせます。内装の下地づくりは後工程の命。スランプや呼び強度の選定、搬入・人員の段取り、天候への配慮、初期養生の徹底を「前日までに決める」ことが、当日の慌てない現場づくりにつながります。迷ったら、仕様書とプラント技術者、そして現場の先輩に早めに相談。小さな準備の積み重ねが、大きな品質差となって返ってきます。

株式会社MIRIX/ミリックスのロゴ
執筆者: 株式会社MIRIX(ミリックス)

内装工事/原状回復/リノベーション/設備更新(空調・衛生・電気)

  • 所在地:東京都港区白金3-11-17-206
  • 事業内容:内装工事、原状回復、リノベーション、設備更新(空調・水道・衛生・電気)、レイアウト設計、法令手続き支援など内装全般
  • 施工エリア:東京23区(近郊応相談)
  • 実績:内装仕上げ一式、オフィス原状回復、オフィス移転、戸建てリノベーション、飲食店内装、スケルトン戻し・軽天間仕切・床/壁/天井仕上げ、設備更新 等
  • 許可・保険:建設業許可東京都知事許可 (般4)第156373号、賠償責任保険、労災完備
  • 品質・安全:社内施工基準書/安全衛生計画に基づく現場管理、是正手順とアフター基準を公開
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