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難燃材とは?種類・特徴・選び方を徹底解説【建設現場の安全対策にも必須】

  1. 難燃材って何?内装現場での意味・見分け方・使いどころをプロがやさしく解説
  2. 現場ワード(難燃材)
    1. 定義
  3. 難燃・準不燃・不燃の違い(ざっくり理解)
  4. 法規と認定の見方(実務で困らない基本)
    1. 認定表示と番号の基本
    2. 製品ごとに“条件付き”で認定される
    3. 内装制限の考え方
  5. 難燃材の主な種類と特徴(内装でよく見るもの)
  6. 現場での使い方
    1. 言い回し・別称
    2. 使用例(会話・指示の実例:3つ)
    3. 使う場面・工程
    4. 関連語
  7. 選び方とチェックポイント(迷わない順番)
    1. 1. 要求性能を先に決める
    2. 2. 認定の“条件”まで必ず読む
    3. 3. 施工性・意匠・メンテで比較
    4. 4. 調達リスクを見ておく
  8. 施工と品質管理のコツ
    1. 下地条件を守る
    2. 接着剤・副資材も仕様どおり
    3. 切断・開口・小口処理
    4. トレーサビリティ(証跡)を残す
  9. よくある誤解・トラブル事例
  10. 代表的なメーカー例(難燃・準不燃・不燃の内装材を扱う国内メーカーの一例)
  11. 現場で役立つチェックリスト(そのまま使える)
  12. 補足:難燃材と安全対策(火気作業・仮設での考え方)
  13. よくある質問(FAQ)
    1. Q. 難燃材なら、どこでも使えますか?
    2. Q. 認定番号がついていれば、下地は自由ですか?
    3. Q. 防炎カーテンは難燃ですか?
    4. Q. 加工で大きく欠き込んだり、通気孔を開けても大丈夫?
  14. まとめ(今日から現場で迷わない)
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難燃材って何?内装現場での意味・見分け方・使いどころをプロがやさしく解説

「難燃材って、不燃や準不燃と何が違うの?」「どの現場で必要になるの?」——はじめて内装の図面や仕上表を見たときに、こんな疑問を持つ方は多いです。この記事では、建設内装の現場で実際に使われる“現場ワード”としての「難燃材」を、プロの視点でわかりやすく解説。意味・選び方・会話での使い方・注意点まで、初心者でも迷わないよう丁寧にまとめました。読み終えるころには、現場で「それ、難燃取れてる?」と聞かれても落ち着いて対応できるようになります。

現場ワード(難燃材)

読み仮名なんねんざい
英語表記Flame-retardant material

定義

建設内装の現場で「難燃材」と言うと、一般に「火がつきにくく、燃え広がりにくい性質を持つ建築材料」を指します。法令上は、建築基準法およびその告示・試験に基づく“内装制限”で規定される区分のひとつ「難燃材料(RM)」のことを意味する場合が多く、カタログや製品ラベル、納品書などには「RM(難燃材料)」「国土交通大臣認定 RM-××××」といった表記が用いられます。ただし、現場会話では広義に「燃えにくい仕様」の総称としても使われるため、厳密な法区分(不燃・準不燃・難燃)のどれを指しているのか、都度確認するのが実務上のポイントです。

難燃・準不燃・不燃の違い(ざっくり理解)

内装材の燃えにくさは、一般に次の3区分で扱います。どれも所定の試験方法により性能が評価され、国土交通大臣認定の区分記号で示されます。

  • 不燃材料(記号:NM)…最も燃えにくい性能。内装制限が厳しい部位で指定されやすい。
  • 準不燃材料(記号:QM)…不燃に次ぐ性能。多くの内装制限で採用される。
  • 難燃材料(記号:RM)…上記2つよりは性能が低いが、一般の材料より燃えにくい。

重要なのは「必要性能は部位や用途で異なる」ことです。例えば、避難経路や特定用途の建物では、不燃や準不燃が必須となることがあり、難燃では基準を満たさない場合があります。つまり「難燃だから安心」ではなく、「その場所に必要な区分か」を図面・仕上表・監督指示で必ず確認しましょう。

法規と認定の見方(実務で困らない基本)

内装材の燃焼性能は、カタログや製品裏面ラベル、技術資料、納品書・検査資料に表示されています。実務で見るポイントは次のとおりです。

認定表示と番号の基本

国土交通大臣認定は、区分を示す記号と番号で管理されます。例として「RM-1234(難燃材料)」のように表記され、同様に「QM-××××(準不燃)」「NM-××××(不燃)」の形もあります。図面に「RMの化粧板」などと書かれていたら、製品側の認定が一致しているか、現物ラベルやカタログで確認します。

製品ごとに“条件付き”で認定される

同じ製品名でも、厚み・下地の種類・接着剤・施工方法などが変わると認定区分が変わることがあります。たとえば「特定の下地(例:石膏ボード)に貼ること」が認定条件になっているケースや、「同一シリーズでも塗装色や表面仕上げで認定が異なる」ケースがあります。必ず該当製品の技術資料で、用途・下地・施工条件を確認してから手配・施工しましょう。

内装制限の考え方

どの区分が必要かは、建物の用途(例:病院、ホテル、飲食店、学校、オフィス等)、規模、避難経路か否か、天井裏の扱いなどによって決まります。実務では、設計図書や仕上表に「内装制限:天井・壁=準不燃以上」「天井裏=不燃」などの記載があります。現場で疑問があれば、設計・監督に確認し、「採用して良い材料の区分」と「必要書類(認定書、カタログ、成績書等)」をすり合わせましょう。

難燃材の主な種類と特徴(内装でよく見るもの)

現場で「難燃材」として登場しやすいのは、下記のような仕上げ材・基材・副資材です。ここでは性質や使いどころを実務目線でまとめます(製品ごとに認定区分が異なるため、最終確認は各メーカー資料で行ってください)。

  • 難燃仕様の化粧板・化粧シート(樹脂系・木質系)…什器・腰壁・カウンター立上りなどの意匠面で採用。曲面対応のシートもあり、サイン・柱巻きに便利。
  • 難燃ビニル壁紙(クロス)…一般部で指定されることがある。裏打ち・表面処理・下地条件により認定が分かれるため要確認。
  • 難燃木質パネル・難燃処理合板…木目意匠を活かしつつ内装制限をクリアしたい場面で選択。加工時の切断面・小口処理が重要。
  • 難燃フォーム材・緩衝材…造作の芯材・設備周りの保護などに。製品の厚さや覆い材により性能が変わる。
  • 天井・壁の吸音パネル(難燃区分のもの)…ホール・会議室・スタジオ等で採用。表面布が防炎、基材が難燃/準不燃など複合仕様もある。
  • 配線用ダクトカバー・ケーブル被覆の難燃グレード…内装施工と取り合う場合は品番レベルで性能を確認。

なお、「防炎」という言葉は主にカーテンやカーペットなどの繊維製品で用いられる区分(消防法に関わる性能表示)で、建築材料としての「難燃(RM)」とは制度が異なります。カーテンは防炎表示、壁・天井材は不燃/準不燃/難燃と、対象と法制度が違う点を混同しないようにしましょう。

現場での使い方

言い回し・別称

  • 「難燃(なんねん)」「難燃グレード」「難燃仕様」
  • 「RM材(アールエム材)」…大臣認定の区分記号をそのまま呼ぶ言い方
  • 「FR(エフアール)」…Flame Retardant の略。シートや樹脂材で使われがち
  • (関連)「不燃=NM」「準不燃=QM」「防炎=繊維製品の区分」

使用例(会話・指示の実例:3つ)

  • 「この腰壁の化粧板、内装制限かかってるから“難燃”取れてる品番で手配しておいて。」
  • 「そのシート、RMの認定は下地が石膏ボード限定だったよね?合板下地のところは準不燃品に切り替えよう。」
  • 「看板の巻き込みに使う芯材、一般用はNG。難燃フォームで、認定条件に合わせてアルミライナー重ねて施工して。」

使う場面・工程

  • 仕上材選定(設計・見積)…必要区分(NM/QM/RM)と意匠・コスト・納期のすり合わせ。
  • 発注・受入検査…品番・色番・厚み・下地条件・認定番号の照合、ラベルや資料の保管。
  • 下地調整・施工…認定条件どおりの下地・接着剤・留め付け方法を遵守。現場合わせの変更は要再確認。
  • 完了検査・引き渡し…認定書・カタログ抜粋・納品書などのエビデンスをまとめて提出・保管。

関連語

  • 内装制限/大臣認定(NM・QM・RM)/不燃下地/告示仕様
  • 準耐火・耐火(構造の話)/防火設備(建具の話)/防炎(繊維製品の話)

選び方とチェックポイント(迷わない順番)

1. 要求性能を先に決める

図面・仕上表・監督指示で、その場所の必要区分(NM/QM/RM)を確認。迷ったら「上位区分で統一」ではなく、機能・コスト・加工性とのバランスで最適解を選ぶのがプロの仕事です。

2. 認定の“条件”まで必ず読む

認定番号だけでなく、厚み・下地種別(石膏ボード、ケイカル板、金属下地など)、接着剤・ビスピッチ、重ね貼り可否などを確認。現場の実際の納まりに合っているか照合します。

3. 施工性・意匠・メンテで比較

曲面に追従できるか、角の小口処理はどうするか、傷や汚れへの強さ、補修のしやすさを検討。店舗や医療・福祉施設では清掃性や抗菌・耐薬品性もチェックポイントです。

4. 調達リスクを見ておく

色・柄の在庫、ロット差、輸送条件、追加手配のリードタイムなど。交換・差し替えが起きやすい仕上げは、余裕を持った発注が安心です。

施工と品質管理のコツ

下地条件を守る

多くの認定は「特定の下地」が前提です。別の下地に変えると認定外になることがあるため、変更時は必ずメーカーか監督に確認し、代替案の承認を取ってから進めます。

接着剤・副資材も仕様どおり

推奨接着剤やプライマー、ビス・タッカーの種類とピッチも性能に影響します。指定以外の材料を使う場合は、事前承認が必要です。

切断・開口・小口処理

開口部や小口の露出が火災時の弱点になる場合があります。指定のエッジ材・目地材・カバー材で仕上げ、現物合わせの切欠きは最小限に。ダクト・配線貫通部は別途防火措置が求められることがあります。

トレーサビリティ(証跡)を残す

製品ラベル・納品書・認定書・施工写真をセットで保管。引き渡し後の問い合わせや改修時に役立ちます。

よくある誤解・トラブル事例

  • 「難燃と書いてあるからどこでもOK」…用途や場所によっては準不燃・不燃が必須。必ず設計意図を確認。
  • 「同じ品名なら全部同じ認定」…色・厚み・下地条件で認定が変わることがある。品番・仕様で照合。
  • 「下地を合板に替えても問題ない」…認定が下地石膏ボード前提ならNGの可能性。事前に代替仕様を検討。
  • 「防炎=難燃」…制度が異なります。布製品の防炎と、建築材料の難燃(RM)は別物。
  • 「加工で大きく欠き込んでも平気」…切欠き・開口で性能低下の恐れ。小口処理や補強を検討。

代表的なメーカー例(難燃・準不燃・不燃の内装材を扱う国内メーカーの一例)

以下は、内装用の化粧板・壁天井材・シート・パネル等で難燃/準不燃/不燃グレードを幅広く展開しているメーカーの一例です。具体的な認定区分は製品ごとに異なるため、採用前に各社の最新カタログ・技術資料をご確認ください。

  • アイカ工業…メラミン化粧板や化粧不燃板、化粧シートなど意匠性に富む内装材を展開。
  • 大建工業(DAIKEN)…壁・天井材、音響パネル、床材など内装建材全般を取り扱い。
  • 吉野石膏…石膏ボードを中心に、内装の下地・仕上げに関わるボード製品を多数展開。
  • 住友ベークライト…フェノール樹脂系の積層板・工業材料など、難燃グレードの素材を提供。
  • ニチアス…不燃・耐火・断熱関連のボードやパネル、シーリング材などを展開。
  • サンゲツ…壁紙、床材、ファブリック等の内装材を総合的に取り扱い、難燃・防炎区分の製品も多数。
  • リリカラ…壁紙や内装仕上材の総合メーカー。公共・商業向けのグレードも豊富。
  • 東リ…床材・壁装材などを展開。商業施設向けの機能性内装材も幅広い。

上記はあくまで一例です。製品の採否は、認定区分、意匠、コスト、施工性を総合して決めてください。

現場で役立つチェックリスト(そのまま使える)

  • 1)部位と用途の確認:その場所に必要な区分はNM/QM/RMのどれか。
  • 2)製品の認定確認:区分記号(NM/QM/RM)と認定番号、条件(下地・厚み・副資材)。
  • 3)納まり確認:開口・小口・曲面・入隅・出隅の処理方法は認定条件に適合するか。
  • 4)施工資料の準備:メーカーの施工要領書・技術資料・安全データシート等。
  • 5)受入・保管:ロット・色差・破損の有無、保管環境(反り・歪み防止)。
  • 6)現場変更の管理:代替案は認定条件を満たすか、監督・設計と承認ルートを確認。
  • 7)証跡の整理:ラベル写真、納品書、認定書の控え、完成写真をファイリング。

補足:難燃材と安全対策(火気作業・仮設での考え方)

難燃材は火災リスクを下げるための重要な選択ですが、現場の安全は材料選定だけで完結しません。溶接・溶断など火気作業の際は、火花養生、可燃物撤去、消火器の近接配置、火気管理者の選任など基本を徹底します。また、仮設の養生シートや防炎シートは、現場ルールで難燃・防炎グレードが指定されることがあります。内装材の難燃(RM)とは制度が異なるため、仮設資材は「防炎ラベル」や現場指定の適合証で確認しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 難燃材なら、どこでも使えますか?

A. 使えません。場所によっては準不燃や不燃が求められます。図面・仕上表・監督指示を必ず確認しましょう。

Q. 認定番号がついていれば、下地は自由ですか?

A. いいえ。認定は下地・厚み・施工方法などの条件つきです。条件が合わないと認定外になることがあります。

Q. 防炎カーテンは難燃ですか?

A. 違います。防炎は繊維製品の区分で、建築材料の難燃(RM)とは制度が別です。用途に応じた基準で確認してください。

Q. 加工で大きく欠き込んだり、通気孔を開けても大丈夫?

A. 性能が変わる可能性があります。認定条件やメーカーの許容範囲を確認し、必要に応じて処理方法を見直しましょう。

まとめ(今日から現場で迷わない)

難燃材は「燃えにくい材料」の総称であり、法区分としてはRM(難燃材料)を指します。ただし、内装制限で必要とされるのは場所によってNM/QM/RMが異なります。実務では、区分だけでなく「認定条件(下地・厚み・副資材・施工方法)」まで確認することが肝心。手配時は品番・認定番号の照合、施工時は要領書の遵守、引き渡し時は証跡の整理までをセットで行いましょう。この記事のポイントを押さえておけば、「それ、難燃取れてる?」と聞かれても自信をもって答えられるはず。安全で美しい内装づくりのために、材料の選定と情報確認を丁寧に進めていきましょう。

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執筆者: 株式会社MIRIX(ミリックス)

内装工事/原状回復/リノベーション/設備更新(空調・衛生・電気)

  • 所在地:東京都港区白金3-11-17-206
  • 事業内容:内装工事、原状回復、リノベーション、設備更新(空調・水道・衛生・電気)、レイアウト設計、法令手続き支援など内装全般
  • 施工エリア:東京23区(近郊応相談)
  • 実績:内装仕上げ一式、オフィス原状回復、オフィス移転、戸建てリノベーション、飲食店内装、スケルトン戻し・軽天間仕切・床/壁/天井仕上げ、設備更新 等
  • 許可・保険:建設業許可東京都知事許可 (般4)第156373号、賠償責任保険、労災完備
  • 品質・安全:社内施工基準書/安全衛生計画に基づく現場管理、是正手順とアフター基準を公開
  • 情報の扱い:記事は現場経験・法令・公的資料を根拠に作成。広告掲載時は本文中に明示します。
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