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建設内装現場で使われる「センサー」とは?種類・選び方・導入メリットをわかりやすく解説

  1. 内装工事で耳にする「センサー」ってなに?現場の意味・用途・選び方を職人目線でやさしく解説
  2. 現場ワード(センサー)
    1. 定義
  3. 現場での使い方
    1. 言い回し・別称
    2. 使用例(3つ)
    3. 使う場面・工程
    4. 関連語
  4. センサーの主な種類と内装現場の具体例
    1. 動作・在室を検知するセンサー(人感)
    2. 照度センサー(明るさ)
    3. 温度・湿度・CO2センサー
    4. 近接・反射型センサー(設備機器)
    5. 安全・防犯系センサー
    6. 施工支援ツールに内蔵のセンサー
  5. 選び方と仕様の読み解き方
    1. 検知方式(PIR/マイクロ波/近接など)
    2. 設置高さ・検知エリア
    3. 電源・配線方式(2線式/3線式・低電圧)
    4. 出力方式(リレー接点・制御信号)
    5. 負荷容量・適合負荷
    6. 設定項目(感度・遅延時間・照度しきい値)
    7. 環境耐性(IP等級・温湿度)
    8. 意匠・メンテナンス性
    9. コスト・ライフサイクル
  6. 導入メリットと注意点
    1. メリット
    2. 注意点・デメリット
  7. 施工・設置の実務ポイント
    1. 設置前のすり合わせ
    2. 取付・配線
    3. 試運転・調整
    4. 引渡し後の運用
    5. よくあるトラブルと対処
  8. 代表的なメーカーと特徴(抜粋)
  9. 安全・資格・法規上の留意点
  10. ミニ用語辞典
  11. 現場で役立つチェックリスト(ダウンロード不要でそのまま使える)
  12. ケース別のポイント
    1. オフィス(執務室・会議室)
    2. 共用部(廊下・トイレ)
    3. 店舗・エントランス
  13. よくある質問(FAQ)
    1. Q. 人感センサーが反応しない場所はどこですか?
    2. Q. LEDがうっすら点く・ちらつくのはなぜ?
    3. Q. 省エネ効果はどれくらい?
    4. Q. 自分で取付けできますか?
  14. まとめ:センサーは「仕上がってからが本番」。方式選定と現地調整で満足度が決まる
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内装工事で耳にする「センサー」ってなに?現場の意味・用途・選び方を職人目線でやさしく解説

図面や打合せで「ここはセンサーで動かします」「人感で照明を」と言われて、正直ピンと来なかった…そんな経験はありませんか?センサーは建設内装の現場で日常的に使われる言葉ですが、指している中身は意外と幅広く、照明や換気、設備機器、さらには測定器まで多岐にわたります。本記事では、現場ワードとしての「センサー」の意味から、よく使う種類、選び方、施工の注意点までを丁寧に整理。初めての方でもイメージが掴めるよう、職人目線で実践的に解説します。

現場ワード(センサー)

読み仮名せんさー
英語表記sensor

定義

現場でいう「センサー」とは、温度・光・人の動き・二酸化炭素濃度などの“状態”を検知して電気信号に変え、照明や換気扇・自動水栓・自動ドアなどの機器を自動制御したり、測定器の判断材料に使う装置の総称です。内装現場では特に「人を検知して照明を点ける人感センサー」「明るさに応じて点灯を変える照度センサー」「トイレの自動水栓の近接センサー」「墨出し・探知機に入っている各種センサー」などを指すことが多いです。

現場での使い方

言い回し・別称

現場では以下のような言い方をします。

  • 人感(じんかん)/人感センサー/在室センサー(オキュパンシー)
  • 明るさセンサー/照度センサー
  • 近接センサー(自動水栓・自動便器洗浄・自動ドア)
  • 受光器(レーザー墨出し器のセンサー部)、探知機(下地・配管・鉄筋検知)
  • マイクロ波センサー/赤外線(PIR)センサー

使用例(3つ)

  • 「この廊下の照明は人感でいこう。検知エリア、図面の指示どおりで。」
  • 「会議室の在室センサー、感度強すぎるね。遅延を長めに、照度のしきい値も調整しよう。」
  • 「タイル前に自動水栓のセンサー位置を確認。仕上がり芯で手元がきちんと反応する高さに。」

使う場面・工程

センサーは主に以下の工程で関わります。

  • 電気配線・器具付け(人感・照度・在室センサー)
  • 設備機器の取付(自動水栓・自動洗浄・換気扇の連動)
  • 建具・自動ドアの設置(出入口用センサー)
  • 墨出し・測定(レーザー受光器、下地・鉄筋探知機)
  • 試運転・調整(感度・遅延時間・照度しきい値など)

関連語

  • スイッチ(手動)/リレー接点/制御盤
  • 2線式・3線式(電源配線方式)
  • DALI・0-10V・PWM(照明制御の方式)
  • 感知器(火災報知設備の煙・熱感知器:用途も法規も別物)

センサーの主な種類と内装現場の具体例

動作・在室を検知するセンサー(人感)

廊下・トイレ・給湯室・会議室などで使われる代表格です。方式は主に以下。

  • 赤外線(PIR):人の体温による赤外線の変化を検知。直進性があり、空調風や薄い壁越しには反応しにくい。視界(見通し)が大切。
  • マイクロ波(電波):壁や薄いパーティションを透過しやすく、広い範囲をカバー。通路越しの誤検知に注意。

用途の例:廊下照明を人感で自動点灯、会議室の在室判定で空調・照明を連動、トイレブース内で個別制御など。

照度センサー(明るさ)

窓の自然光に合わせて室内の照明を自動で絞ったり、消したりするために使います。執務室やエントランスでの省エネに有効です。日中の明るさ変動に合わせるため、取付位置と反射の影響に注意します。

温度・湿度・CO2センサー

空調や換気制御で用いられます。CO2センサーは人の密度に応じて換気量を増減させる用途が一般的。内装では壁面の見切りや意匠と干渉しない位置に設け、メンテナンスでアクセスできるように配慮します。

近接・反射型センサー(設備機器)

トイレの自動水栓や小便器の自動洗浄、手洗い場の泡ソープディスペンサー、エントランスの自動ドアなどに内蔵。非接触で衛生的、感染対策の観点でも採用が増えています。仕上がり厚や器具の出寸が変わると反応距離も変わるため、仕上げ前にモックアップや現地合わせを行うと確実です。

安全・防犯系センサー

侵入検知(防犯センサー)や防災の一部で使われます。内装工事では電気設備・弱電業者が担当し、機器の外観取合いや天井点検口の位置調整などで協議します。火災報知器の煙・熱感知器は「消防設備」で、一般のセンサーとは法的位置づけが異なります。

施工支援ツールに内蔵のセンサー

  • 下地探知機(スタッドファインダー):木下地・間柱・配線・配管の位置を推定。
  • 鉄筋探査機:コンクリート内の鉄筋や配筋ピッチ、かぶり厚の確認。
  • レーザー墨出し器の受光器・自動整準センサー:水平・鉛直の自動補正や、屋外での受光をサポート。
  • レーザー距離計:距離・面積・体積の測定に光学センサーを使用。
  • 含水率計・湿度計:床下地や内装材の施工可否判断に使うことがあります。

選び方と仕様の読み解き方

検知方式(PIR/マイクロ波/近接など)

空間や壁構成に合わせて選びます。見通しが効く小空間はPIR、パーティション越しの在室検知や広い空間はマイクロ波が有利。近接型は手元で確実に反応させたい設備機器に向きます。

設置高さ・検知エリア

カタログに「取付高さ」「検知範囲(直径・扇形)」が図示されています。天井高やブースの形状に応じて、検知の“抜け”や“かぶり”が出ないよう配置を決めます。梁や照明器具と干渉すると影ができ、検知ムラの原因になります。

電源・配線方式(2線式/3線式・低電圧)

壁スイッチ代替の人感スイッチには、電源・負荷が同じ2本で完結する「2線式」と、ニュートラルを別で持つ「3線式」があります。LED負荷では微弱電流が誤点灯・ちらつきの原因になることがあり、3線式が推奨される場面もあります。ビルの集中制御では24V等の低電圧センサーを採用することもあります。

出力方式(リレー接点・制御信号)

単純なON/OFFは無電圧接点(リレー)出力が一般的。照明の調光連動にはDALIや0-10Vなどの制御信号に対応した機種を選定します。システム側仕様に合わせるのが基本です。

負荷容量・適合負荷

接続する荷重(LED、蛍光、白熱など)と容量を必ず確認。LEDは突入電流に注意が必要で、実態に合わせた余裕を見ます。

設定項目(感度・遅延時間・照度しきい値)

実使用に合わせて微調整します。短すぎる遅延はチラつき、長すぎると無駄な点灯につながります。照度のしきい値は昼間の自然光を見ながら現地で合わせると失敗が減ります。

環境耐性(IP等級・温湿度)

浴室・屋外・厨房周りでは防塵防水性能が必要です。カタログの適用環境を必ず確認。高温・多湿・油煙環境は誤作動の原因になります。

意匠・メンテナンス性

天井面の納まり、カバーの色、センサー窓の形状は空間デザインに影響します。清掃や交換のしやすさも考慮し、点検口からアクセスできる位置に。

コスト・ライフサイクル

機器価格だけでなく、電気代の削減効果や、メンテナンスにかかる手間も含めて検討するのがおすすめです。

導入メリットと注意点

メリット

  • 省エネ・自動化:不要な点灯や運転を抑制。
  • 衛生・非接触:トイレ・手洗いでの接触回数を低減。
  • 安全性:暗い廊下で自動点灯、つまずきリスクの低減。
  • 運用負担の軽減:消し忘れ・換気忘れを防止。

注意点・デメリット

  • 誤検知・未検知のリスク:方式と配置が不適切だとストレスに。
  • 初期設定が必要:感度・遅延・しきい値の調整が前提。
  • 費用:初期コストがスイッチより高め。システム化すると設計・施工の手間も増えます。
  • 法令配慮:避難経路の常時照明や消防設備は別扱い。設計者・監理者と必ず協議。

施工・設置の実務ポイント

設置前のすり合わせ

  • 図面の検知エリア・天井伏図・器具表を確認。仕上がり高さと梁・ダクトの干渉をチェック。
  • 避難経路・非常灯・消防設備との関係を設計者と確認。
  • 自動水栓などは仕上げ厚と可動域を実機・モックアップで確認。

取付・配線

  • 天井センサーは器具穴の芯出しを正確に。ボード開口は型紙を活用。
  • 電源方式(2線/3線・低電圧)に適した配線を行い、結線ミスを防ぐ。
  • 金属ダクト近傍のマイクロ波センサーは反射で誤検知しやすい。離隔を確保。

試運転・調整

  • 昼と夜の2パターンで動作確認。照度しきい値は実光量に合わせて微調整。
  • 人感の遅延は用途に合わせて設定(廊下は短め、会議室は長めなど)。
  • 設定ツマミやディップスイッチの最終値を写真・書類に残す。

引渡し後の運用

  • レンズや受光部の清掃を定期化。埃や塗装の付着は検知性能を落とします。
  • レイアウト変更時は検知エリアの見直しを。パーティション追加で未検知が起きることがあります。

よくあるトラブルと対処

  • 点灯しっぱなし:感度高すぎ/マイクロ波が隣室を拾う→感度を下げる・方式変更・位置変更。
  • 反応が悪い:PIRで視界を遮る梁・器具→位置移動、検知方式の変更を検討。
  • LEDの微点灯・ちらつき:2線式の漏れ電流が原因→3線式に変更、適合器具に入れ替え。
  • 自動水栓が誤作動:鏡面反射や光の映り込み→センサー角度・遮光・距離調整。

代表的なメーカーと特徴(抜粋)

内装現場でよく目にするメーカーを、用途ごとに挙げます。採用時は最新カタログや技術資料で仕様をご確認ください。

  • パナソニック:住宅・非住宅向けの人感スイッチ、天井埋込在室センサー、照明器具一体型センサーなどラインアップが広い。
  • オムロン:産業用センサーの大手。ビル向け在室・環境センサー、機器組込用センサーで実績がある。
  • オーデリック/コイズミ照明:照明器具に組み込める人感・明暗センサー付き器具を展開。
  • オプテックス(OPTEX):屋内外の人感・防犯センサー、店舗・施設向けの自動ドア関連センサーで知られる。
  • TOTO/LIXIL:自動水栓・自動洗浄器のセンサー内蔵製品を多数展開。衛生器具とのマッチングに強み。
  • NABCO(ナブコ):自動ドアシステムと検知センサーの国内代表的メーカー。
  • Leica Geosystems/BOSCH:レーザー距離計・受光器など測定機器の定番。
  • HILTI:鉄筋探査機など建設向け高精度ツールに強み。

安全・資格・法規上の留意点

交流電源に直結するセンサー(人感スイッチ・天井埋込在室センサー等)の施工には、電気工事士などの有資格者による工事が必要です。消防用の煙・熱感知器は「消防用設備等」に該当し、設置・接続・試験は関係法令・告示に基づく専門の範囲です。避難経路の照明や非常用設備は任意のセンサー制御を加えないのが基本で、設計・監理者と必ず事前に協議しましょう。

ミニ用語辞典

  • 人感(PIR):受動赤外線方式。人の体温による赤外線の変化を検知。
  • マイクロ波:電波で動きを検知。透過性があり検知範囲が広い。
  • 在室センサー(オキュパンシー):人の在・不在を判定して照明や空調を制御。
  • 照度センサー:周囲の明るさを計測し、点灯・調光制御に利用。
  • 2線式/3線式:人感スイッチの配線方式。3線式はニュートラル線を持ち、LED適合性が高い場合がある。
  • 受光器:レーザー墨出し器の光を受けて位置を知らせるセンサー部。
  • 探知機:下地・金属・配線などを検出する測定器の総称。

現場で役立つチェックリスト(ダウンロード不要でそのまま使える)

  • 設置位置は最終仕上がり面で検討したか(器具の出寸・視界)
  • 方式は空間に適しているか(PIR/マイクロ波)
  • 避難経路・消防設備との関係を確認したか
  • 配線方式・負荷容量・制御方式(DALI/接点)を一致させたか
  • 昼・夜の両方で試運転を行い、設定値を記録したか
  • レイアウト変更時の再調整方法を引渡し書類に記載したか

ケース別のポイント

オフィス(執務室・会議室)

在室センサーと照度センサーの組合せが省エネに有効。会議室は「最終退室」で消灯する遅延を長めに設定すると会議の小さな動きでも暗くなりにくいです。席間パーティションの高さによりPIRが遮られる場合、マイクロ波方式の検討を。

共用部(廊下・トイレ)

廊下は人感で短い遅延に。トイレはブースごとの検知と手洗いの近接センサーで衛生面を強化。鏡やステンレスの反射で誤検知しやすいため、器具位置の微調整が効果的です。

店舗・エントランス

自動ドアのセンサーは歩行ラインと視認性が重要。ディスプレイ什器の入替えで検知を妨げないよう、開店前に動作確認をルーチン化します。

よくある質問(FAQ)

Q. 人感センサーが反応しない場所はどこですか?

A. PIRは見通しが遮られると弱く、ガラスや断熱材越しでは反応しにくいです。逆にマイクロ波は薄い壁を通ることがあるため隣室の動きを拾いやすいです。空間・壁構成に合わせた方式選定が大事です。

Q. LEDがうっすら点く・ちらつくのはなぜ?

A. 一部の2線式センサーでは内部回路の微小電流がLEDに流れ、微点灯が起こることがあります。3線式へ変更する、適合を確認した機種に入替えるなどの対策が有効です。

Q. 省エネ効果はどれくらい?

A. 空間・運用によって幅があります。廊下や会議室の消し忘れが多い現場では効果が出やすい一方、常時人がいる執務室では調光制御やスケジュール制御との組み合わせが有効です。事前に稼働状況を把握して設計しましょう。

Q. 自分で取付けできますか?

A. 交流電源に接続する機器は有資格者による電気工事が必要です。設備機器(自動水栓など)も専門業者の範囲です。安全と法令順守のため、無理せず依頼しましょう。

まとめ:センサーは「仕上がってからが本番」。方式選定と現地調整で満足度が決まる

現場でいう「センサー」は、人の動き・明るさ・環境を“見える化”して機器を賢く動かすための要です。ポイントは、空間に合った方式選定、納まりと配線の整合、そして現地での適切な設定。これらが噛み合えば、省エネ・衛生・安全のメリットを最大化できます。打合せ段階で検知エリアを図で共有し、仕上げ前後での試運転と調整を丁寧に行うこと。初心者の方も、本記事のチェックポイントを手元に、現場で一歩ずつ確認していけば大丈夫です。わからないことは遠慮なく設計者やメーカー技術窓口に相談しながら、気持ちのよい仕上がりを一緒に目指しましょう。

株式会社MIRIX/ミリックスのロゴ
執筆者: 株式会社MIRIX(ミリックス)

内装工事/原状回復/リノベーション/設備更新(空調・衛生・電気)

  • 所在地:東京都港区白金3-11-17-206
  • 事業内容:内装工事、原状回復、リノベーション、設備更新(空調・水道・衛生・電気)、レイアウト設計、法令手続き支援など内装全般
  • 施工エリア:東京23区(近郊応相談)
  • 実績:内装仕上げ一式、オフィス原状回復、オフィス移転、戸建てリノベーション、飲食店内装、スケルトン戻し・軽天間仕切・床/壁/天井仕上げ、設備更新 等
  • 許可・保険:建設業許可東京都知事許可 (般4)第156373号、賠償責任保険、労災完備
  • 品質・安全:社内施工基準書/安全衛生計画に基づく現場管理、是正手順とアフター基準を公開
  • 情報の扱い:記事は現場経験・法令・公的資料を根拠に作成。広告掲載時は本文中に明示します。
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