戸建て原状回復の見積もりはどう進める?費用相場から業者選び・退去時のチェックポイントまで徹底解説
「賃貸で戸建てを借りていたけど、退去時にどこまで原状回復すればいいの?」「修繕費用やリフォーム費用の見積もりが高くて困っている」「業者選びに失敗したくない」「退去立会いは何に注意すれば安心?」
このような疑問や不安をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
戸建ての原状回復は、マンションやアパートと比べて修繕範囲が広く、費用も高額になりがちです。しかし、実際にどんな費用がかかるのか、どのように見積もりを依頼すれば良いのか分からず、不安を感じてしまう方も少なくありません。
この記事では、戸建て原状回復の費用相場や見積もりの流れ、業者選びのコツ、退去時に失敗しないためのポイントなどを初心者にもわかりやすく、丁寧に解説します。
この記事を読むことで、戸建ての原状回復に関する悩みや不安が解消され、安心して退去・修繕の手続きを進められるようになります。ぜひ最後までご覧ください。
戸建て原状回復とは?まず知っておきたい基本知識
原状回復の意味と範囲
原状回復とは、賃貸住宅を退去する際に「借りたときの状態に戻すこと」を指します。
ただし、「原状」とは“新品同様”という意味ではなく、通常の生活で生じた経年劣化や自然損耗は借主が修繕する必要はありません。
一方で、借主が原因で生じた汚れや破損(例:壁の穴、ペットによる傷、タバコのヤニなど)は、原則として借主の負担となります。
戸建ての原状回復が難しい理由
戸建ての場合、マンション・アパートと違い、専有面積が広いことや、庭・外構・外壁などの箇所も対象になることが多いため、原状回復の範囲や費用が大きくなる傾向があります。
また、古い戸建てでは設備や構造が特殊な場合もあり、汎用的な修繕で済まないケースもあります。
- 室内:壁紙・床材・建具・設備(キッチン、トイレ、浴室)など
- 外部:庭・外壁・フェンス・駐車スペース・ウッドデッキ等
戸建て原状回復費用の相場と見積もりの内訳
よくある見積もり項目と費用目安
戸建て原状回復の見積もりは、以下のような項目で提示されることが一般的です。なお、費用は建物の状態や広さ、地域によって大きく変動しますので、あくまで目安としてご参照ください。
- クロス(壁紙)張替え:1,000~1,500円/㎡
- フローリング補修・張替え:4,000~12,000円/㎡
- 畳表替え:4,000~8,000円/畳
- 障子・ふすま張替え:2,000~6,000円/枚
- ハウスクリーニング(1戸全体):40,000~100,000円
- 設備修繕(キッチン・浴室・トイレ等):内容によって数千円~数十万円
- 外壁・外構補修:数万円~数十万円
合計で20万円~100万円以上になるケースも少なくありません。
特に戸建ては、外部や設備の劣化など追加費用が発生しやすいため、必ず詳細な見積もりを依頼しましょう。
賃貸戸建ての原状回復で借主が負担する例・しない例
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、借主負担の範囲は以下の通りです。
- 借主が負担する例
- タバコのヤニや臭い
- ペットによるキズ、臭い
- 家具・家電の設置跡による著しい床のへこみやシミ
- 壁・床・建具の破損(故意・過失によるもの)
- 借主が負担しない例
- 家具の設置による軽微なへこみや傷
- 日焼けや経年によるクロス・畳の変色
- 設備の自然故障・寿命
戸建て原状回復見積もりの流れと注意点
見積もりを取る前にやるべき準備
退去前に、以下の点を確認しておくと、後のトラブル防止や見積もりの正確性向上につながります。
- 契約書の原状回復・修繕義務の記載を確認する
- 入居時・現在の状態を写真で記録しておく
- 故障・破損箇所の一覧を自分で作成する
- 管理会社やオーナーに修繕範囲を事前に相談する
戸建て原状回復見積もりの進め方
具体的な見積もり手順は以下の通りです。
- 複数の原状回復業者に現地調査・見積もりを依頼する
- 現地で業者に補修希望箇所や疑問点をしっかり伝える
- 見積もり内容(作業範囲・単価・工期・追加費用の有無)をすべて書面でもらう
- 内容や金額に納得できない場合は遠慮せず質問・交渉する
必ず複数社で見積もり比較を行いましょう。業者によって金額や作業内容に大きな差が出ることもあります。
見積もり比較時のチェックリスト
見積もりを比較するときは、以下の点に特に注意しましょう。
- 作業内容・施工範囲が具体的に書かれているか
- 数量・単価・合計額が明確か
- 追加費用の発生条件が記載されているか
- 作業日程や工期の予定が合っているか
- アフターサービスや保証の有無
- 不明点や納得できない点がないか
原状回復業者の選び方とリフォーム業者との違い
原状回復業者とリフォーム業者、それぞれの特徴
原状回復業者は、賃貸住宅の退去時に必要な修繕やクリーニングを専門にしています。作業が標準化されているため、スピーディかつ費用が抑えられる傾向があります。
一方、リフォーム業者は間取り変更やグレードアップなども対応可能ですが、その分費用が高くなりやすく、「原状回復」とは目的が異なる点に注意が必要です。
- 原状回復業者
- 賃貸退去時の修繕・クリーニングが得意
- スピード重視、費用を抑えたい人向け
- リフォーム業者
- 間取り変更やグレードアップなど幅広い工事に対応
- 費用は高めになるが、オーナーが大幅な改修を希望する場合に最適
失敗しない原状回復業者選びのポイント
- 賃貸戸建ての原状回復実績が豊富か
- 口コミや評判が良いか(ネットの評価や紹介も参考に)
- 見積もり・作業内容が明瞭で丁寧に説明してくれるか
- トラブル時の連絡体制やアフターサービスがしっかりしているか
- 資格や保険(損害保険加入など)を確認できるか
戸建て退去立会いの流れと注意点
退去立会いとは?
退去立会いとは、賃貸物件の退去時に借主と管理会社またはオーナー、原状回復業者が現地で物件の状態を確認する手続きです。
主に下記の内容をチェックし、原状回復すべき箇所や修繕範囲を明確にします。
退去立会いでの具体的なチェックポイント
- 壁紙・床・建具のキズや汚れ、破損がないか
- 設備(キッチン・浴室・トイレなど)の作動状況
- ガラス・サッシの破損やひび割れ
- 外壁・庭・フェンス・ウッドデッキ等の劣化や破損
- 生活ゴミや不用品の残置がないか
トラブル予防のコツ
- 退去前に自分でも写真撮影・記録を残しておく
- 気になる点や修繕範囲を立会い時に必ず確認・メモする
- 不明点や納得できない請求内容はサインせず、必ず書面で説明を求める
- 契約書やガイドラインを持参し、過剰請求の抑止に活用する
原状回復費用を抑えるコツとセルフ修繕のポイント
費用を抑えるための3つの工夫
- 複数業者で見積もりを取り、相見積もりで価格交渉する
- 自分でできる簡単な部分(掃除、軽微な補修)はセルフで仕上げておく
- 契約書やガイドラインで「借主負担の範囲」を再確認し、不要な工事は断る
自分でできるセルフ修繕の例
- 壁や床の軽い汚れ落とし・簡単な傷補修
- 障子やふすまの張り替え
- 網戸の交換
- DIY清掃(エアコンクリーニング、換気扇の掃除など)
ただし、手を加えることで逆に修繕費がかさんだり、原状回復業者が対応できない場合もあるため、事前に管理会社やオーナーと相談しましょう。
戸建て原状回復でよくある疑問・トラブルQ&A
Q1. 見積もり金額が高すぎると感じたらどうすればいい?
まず複数の業者で相見積もりを取り、項目ごとに金額を比較しましょう。費用が特に高いと感じる箇所は「なぜその修繕が必要か」を業者に具体的に質問してください。
納得できない場合は、管理会社やオーナーにも相談し、ガイドラインや契約書を根拠に交渉しましょう。
Q2. オーナー指定の業者でなければダメ?自分で選んでも良い?
契約内容に特に指定がなければ、原則として借主が業者を選べます。「業者指定」の場合でも、見積もり内容に納得できないときは他社との比較見積もりをお願いできる場合もあるので、まずは相談しましょう。
Q3. 敷金で原状回復費用はまかなえる?追加請求されるのはどんなとき?
敷金は原状回復に充当されますが、全てカバーできるとは限りません。敷金を超える修繕費用がかかった場合、追加での請求が発生することもあります。請求の根拠や内容の内訳を必ず確認してください。
Q4. 原状回復でトラブルになった場合の相談先は?
トラブルが解決しない場合は、お住まいの自治体の消費生活センターや、国土交通省の「原状回復ガイドライン」、住宅・土地問題の無料法律相談などの公的機関を活用しましょう。
まとめ|正しい知識と準備で戸建て原状回復の不安をゼロに
戸建ての原状回復は、見積もりや費用、業者選び、退去の立会いなど、初めての方には分かりづらい点が多く、不安になりやすいものです。
しかし、この記事で紹介した基礎知識やチェックリスト、費用相場や業者選びのポイントをおさえておけば、慌てることなくスムーズに手続きを進められます。
大切なのは、「複数社での見積もり比較」「契約書やガイドラインの確認」「丁寧なコミュニケーション」です。わからないことや納得できないことは、遠慮せずに業者やオーナー、専門機関に相談しましょう。
この記事を参考に、安心して戸建て退去・原状回復に取り組んでください。あなたの新生活の門出が気持ちよく迎えられるよう、応援しています。