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ケーブルストリッパーの選び方と使い方徹底解説|現場作業を効率化するプロのコツ

  1. ケーブルストリッパー基礎ガイド|内装現場で「早く・きれいに・安全に」配線するための道具解説
  2. 現場ワード(ケーブルストリッパー)
    1. 定義
  3. 現場での使い方
    1. 言い回し・別称
    2. 使用例(3つ)
    3. 使う場面・工程
    4. 関連語
  4. ケーブルストリッパーの種類と仕組み
    1. 1. VVF(VA)ケーブル用ストリッパー
    2. 2. 同軸ケーブル用ストリッパー
    3. 3. LANケーブル用ストリッパー
    4. 4. 自動剥線(オートストリッパー)
    5. 5. 汎用ワイヤーストリッパー
  5. ケーブルストリッパーの選び方(プロの視点)
    1. 対象ケーブルで選ぶ
    2. 仕上げ品質・再現性
    3. 作業性・安全性
    4. 耐久性・コスト
  6. 代表的なメーカーと特徴
  7. 正しい使い方(基本手順)
    1. VVF(VA)ケーブルの場合
    2. 同軸ケーブルの場合(4C/5C)
    3. LANケーブルの場合(Cat5e/6/6A)
  8. よくある失敗と対策
  9. 安全上の注意(内装現場での基本)
  10. プロが現場で意識しているコツ
  11. 代替手段と使い分け
  12. 現場で混同しやすい用語の違い
  13. 購入前チェックリスト
  14. メンテナンスと保管
  15. 現場でのよくある質問(FAQ)
    1. Q. VVFの外装はニッパーで少し切れ込みを入れて剥けば十分ですか?
    2. Q. 同軸の段剥き寸法はどこで確認しますか?
    3. Q. LANケーブルの外装が硬くて芯線を傷つけがちです。
    4. Q. 1本で何でも剥ける万能ストリッパーはありますか?
  16. まとめ:最小の力で、最大の品質を
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ケーブルストリッパー基礎ガイド|内装現場で「早く・きれいに・安全に」配線するための道具解説

「ケーブルの皮むきって、ニッパーでもできるの?」「ケーブルストリッパーってどれを買えばいいの?」──初めて配線作業に触れると、こうした疑問が出てきますよね。この記事では、建設内装の現場で日常的に使われる現場ワード「ケーブルストリッパー」を、プロの目線でわかりやすく解説します。用途の違い、選び方、具体的な使い方、失敗しやすいポイントまでまとめているので、この記事ひとつで「迷わず・傷めず・スピーディー」に剥線できるようになります。

現場ワード(ケーブルストリッパー)

読み仮名けーぶるすとりっぱー
英語表記cable stripper

定義

ケーブルストリッパーとは、電線や通信ケーブルの外装(ジャケット)や心線の被覆を、導体を傷つけず一定寸法でむくための専用工具です。電気設備・弱電・通信・映像などの配線工程で使用され、作業の速度と仕上げ品質、そして安全性を安定させる役割を持ちます。ワイヤーストリッパーが主に単線・撚り線の「心線被覆」をむくのに対し、ケーブルストリッパーは「ケーブル外装(シース)」の剥ぎ取りに適した構造を持つものを指すケースが多く、用途に応じて使い分けます。

現場での使い方

ケーブルストリッパーは、器具結線やボックス内の結線準備、盤内の配線整理、情報コンセントの端末処理など、内装現場の幅広い工程で活躍します。以下に、言い回し・別称、具体的な使用例、使う場面、関連語を整理します。

言い回し・別称

  • ストリッパー(略称)
  • 剥線工具/皮むき(口語)
  • VAストリッパー(VVFケーブル用)
  • 同軸ストリッパー(テレビ・監視カメラ等の同軸用)
  • LANストリッパー(UTP/STPなど通信ケーブル用)

使用例(3つ)

  • 「このボックス内の3心2.0、シース50ミリむいてストリップ準備しておいて」
  • 「テレビ端子側は5Cの同軸、外装と編組の処理はストリッパーで寸法通りね」
  • 「LANのCat6、被覆割かないようにストリッパーでサッと回して。十字介在はカット忘れないで」

使う場面・工程

  • 配線敷設後の結線前処理(器具・盤・ボックス・情報コンセント)
  • 照明・コンセントのユニット結線(VVFの外装と心線被覆の処理)
  • 弱電設備(LAN、電話、インターホン、監視カメラ、テレビ)の端末加工
  • 床下・天井内での延長や接続作業(中継、スリーブ圧着前の剥線)

関連語

  • ワイヤーストリッパー(心線の被覆剥き用)
  • リッパー(VVFの外装に切れ込みを入れる補助工具)
  • ニッパー/ペンチ(切断・つかみ・曲げ)
  • ケーブルカッター(導体・ケーブルの切断専用)
  • 圧着工具(スリーブ・端子の圧着)
  • スリーブ・端子(接続部材)

ケーブルストリッパーの種類と仕組み

ケーブルストリッパーと一口に言っても、対象ケーブルや作業内容で形状・機構が異なります。代表的なタイプと特長をまとめます。

1. VVF(VA)ケーブル用ストリッパー

住宅・店舗の電灯配線で多用するVVF(通称VA線:1.6mm/2.0mmの2心・3心など)の外装と心線被覆を、決まった長さで素早く剥けるタイプ。心線径に合わせたゲージがあり、深さ調整済みのため導体傷つきを防ぎやすいのが特長。ボックス内の作業効率が大きく上がります。

2. 同軸ケーブル用ストリッパー

4C・5Cなどの同軸ケーブルの外装、編組(シールド)、絶縁体を段剥き(ステップ)で処理できるツール。回転させるだけで複数段の剥き寸法を再現でき、F型・BNCなどのコネクタ施工の品質と再現性が向上します。

3. LANケーブル用ストリッパー

Cat5e/6/6AなどのUTP/STPケーブルの外装を割かずに切れ込みを入れ、十字介在やアルミシールドを適切に処理できるツール。芯線の撚りをなるべく崩さず、規定長での結線(パンチダウン・RJ45端子圧着)を助けます。

4. 自動剥線(オートストリッパー)

挟む・引くのワンアクションで心線被覆を剥ける機構のもの。多芯ケーブルの量産的な剥線や、撚り線の繊細な処理で便利。開口幅や刃圧を自動追従するものもあり、被覆を選ばず安定して剥けます。

5. 汎用ワイヤーストリッパー

主に心線の被覆剥きに使われるゲージ付きストリッパー。ケーブル外装には不向きな場合があるため、外装剥きには専用のケーブルストリッパーまたはリッパーを併用します。

ケーブルストリッパーの選び方(プロの視点)

「どれを選べば失敗しないか?」は、対象ケーブルと作業量で決まります。以下の観点で絞り込みましょう。

対象ケーブルで選ぶ

  • VVF(1.6/2.0、2心/3心など)を主に扱うなら「VVF専用」タイプ
  • テレビ・監視カメラなら「4C・5C同軸対応」の段剥きタイプ
  • 情報系が中心なら「LANケーブル対応」で外装にやさしい刃設計のもの

仕上げ品質・再現性

  • ゲージ固定・刃深さ調整機構の有無(導体傷つき防止)
  • 段剥き寸法の再現性(同軸・LAN)
  • 絶縁体の「白化」や芯線の「毛羽立ち」を起こしにくい刃形状

作業性・安全性

  • ワンハンドで扱いやすいサイズと開閉荷重
  • 滑りにくいグリップ、落下防止用のストラップ穴
  • 絶縁ハンドル(充電・活線作業は原則禁止ですが、二次側作業では念のため)

耐久性・コスト

  • 替刃の有無と入手性
  • 砂・粉じん環境での耐久性(内装は粉じん多め)
  • 想定本数に対するコスト回収性(量が多いなら専用工具が速い)

代表的なメーカーと特徴

以下は日本国内の現場で入手しやすく、評価の安定したメーカー例です。(機種や仕様は各社で多様です。購入時は対象ケーブルとの適合を確認してください。)

  • HOZAN(ホーザン):電子・電設工具の国内メーカー。教育現場からプロ用途までラインナップが広く、同軸・LAN・ワイヤーストリッパーなどの定番品を展開。
  • MARVEL(マーベル):電設工具の国内ブランド。VVF用の作業効率に優れた専用ストリッパーを多数展開し、現場での支持が厚い。
  • JEFCOM/DENSAN(ジェフコム/デンサン):電気・通信分野向けの多彩な工具・資材を扱う国内ブランド。同軸・LANの段剥きツールなど実務的な仕様が充実。
  • VESSEL(ベッセル):国内の老舗ツールメーカー。精度の高い刃物系工具や電設関連の補助ツールを展開し、信頼性で選ばれる。
  • FUJIYA(フジ矢):切断・保持系工具で知られる国内メーカー。電設現場で使いやすいストリッパー・ニッパーをラインナップ。
  • KNIPEX(クニペックス):ドイツの工具メーカー。自動剥線など精密機構に強みがあり、耐久性と仕上がりの良さで評価が高い。
  • Klein Tools(クラインツールズ):米国の電設工具老舗。電気・通信向けのストリッパーが豊富で、握りやすさと実戦的な設計が特長。
  • IDEAL INDUSTRIES(アイディール):米国メーカー。LAN・同軸の端末工具で知られ、段剥きの再現性に定評。
  • Jonard Tools(ジョナード):通信・放送分野に強い米国メーカー。コネクタ施工に合わせた専用ストリッパーが揃う。

正しい使い方(基本手順)

ここではVVF、同軸、LANの3例で基本手順を紹介します。工具・ケーブルの仕様に合わせ、各メーカーの取扱説明書も必ず確認してください。

VVF(VA)ケーブルの場合

  • 寸法確認:器具メーカーの推奨ストリップ長(例:外装50mm、心線10mmなど)を確認。
  • 外装むき:VVF用ストリッパーの外装ゲージに差し込み、軽く握って引き抜く。導体を傷つけない力加減で。
  • 心線むき:心線径に合うゲージ(1.6/2.0)にセットして被覆だけを剥く。
  • 導体確認:傷・切り欠き・偏平がないかチェック。傷があれば切り戻し。

同軸ケーブルの場合(4C/5C)

  • 段剥き寸法の確認:使用コネクタの仕様(例:外装、編組、絶縁体の各寸法)に従う。
  • ストリッパーに挿入:ケーブルを指定のストップ位置まで差し込み、工具を軽く閉じる。
  • 回転加工:工具を数回回して刃を回し込み、抜き取る。複数段が一度に処理できるタイプもある。
  • 整え:編組を折り返す、絶縁体の面を整える。芯線に傷があればやり直し。

LANケーブルの場合(Cat5e/6/6A)

  • 外装スコアリング:外装に軽く切れ込みを入れ、割くように開く(芯線まで切り込まない)。
  • 介在処理:十字介在やシールド材を規定長でカット・整える。
  • 撚りを最小限に:芯線の撚りを解きすぎない(伝送特性のため)。
  • 仕上げ:RJ45圧着やパンチダウンに進む。導体順序(T568A/B)の間違いに注意。

よくある失敗と対策

  • 導体にキズが入る:刃圧が強すぎる/ゲージ不適合。専用ゲージを使い、力は最小限で。気になる傷は必ず切り戻し。
  • 寸法がバラつく:都度目分量にしている。ストッパーやゲージ付きの工具を選び、同じ動作で反復。
  • 外装だけのつもりが心線まで切る:外装用と心線用の工具を混同している。用途別のストリッパーを併用する。
  • LANの芯線断線・特性劣化:外装切り込みが深すぎる、撚りを解きすぎ。回転は軽く、必要最小限の処理に。
  • 同軸の段剥き寸法違い:コネクタ仕様未確認。施工前に寸法表を確認し、試し剥きで検証する。

安全上の注意(内装現場での基本)

  • 活線近接禁止:原則、通電中のケーブルには触れない。必ず停電・検電を実施。
  • 保護具:目の保護(切りくず対策)、手袋は作業に支障がないものを選択。
  • 足場・脚立:片手作業にならないよう、安定した姿勢で。落下防止のストラップを活用。
  • 電気工事の資格:電気工事士の範囲に該当する接続・結線は、法令に基づき有資格者が実施。
  • 刃の交換・調整:無理に使い続けない。切れ味低下はかえって危険で仕上がりも悪化。

プロが現場で意識しているコツ

  • 最初の1本で「当たり」を取る:対象ケーブルに対して試し剥きし、刃圧と寸法を微調整。
  • 道具を2本持ち:外装用と心線用を分け、迷わず手が出る配置に。ボックス脇に定位置を作る。
  • 切り戻しを惜しまない:少しでも傷や白化が気になればやり直し。それが後トラブルを防ぐ最短ルート。
  • 粉じん対策:刃部に石膏粉が噛むと食い込みが不安定。こまめにブロワーやブラシで清掃。

代替手段と使い分け

  • ニッパー+リッパー:専用工具がないときの最終手段。ただし導体傷つきのリスクが高く、仕上がりも不安定。
  • カッターで外装スコアリング:LANなどで用いることはあるが、芯線切断の事故が増えるため初心者には非推奨。
  • 自動剥線機:数量が多い場合の省力化に有効。現場よりも作業台や工房での量産に向く。

現場で混同しやすい用語の違い

  • ケーブルストリッパー:ケーブルの外装(ジャケット)剥きが主目的。種類によって心線も対応。
  • ワイヤーストリッパー:心線の被覆剥きが主目的。外装には不向きな場合が多い。
  • リッパー:外装に切れ込みを入れる簡易工具。単体では仕上げが粗くなりがち。
  • 被覆(ひふく)と外装(がいそう):被覆は心線の絶縁体、外装はケーブル全体を覆うジャケット。

購入前チェックリスト

  • 対象ケーブル(種類・径・心数)を明確にしたか
  • 必要な剥き寸法(器具・コネクタ仕様)を把握したか
  • ゲージ・ストッパーの有無、刃の交換性を確認したか
  • 片手で扱えるサイズ・重量か、落下防止穴はあるか
  • メーカーのサポート・替刃の入手性は問題ないか

メンテナンスと保管

  • 清掃:作業後は刃部の粉じんを除去。金属粉・石膏粉は刃の寿命を縮める。
  • 給脂:可動部に微量の潤滑(メーカー指定があれば従う)。
  • 刃の交換:切れ味が落ちたら早めに交換。ムリ切りは導体傷つきの原因。
  • 保管:湿気を避け、防錆。工具箱内で刃が他工具に当たらないよう保護。

現場でのよくある質問(FAQ)

Q. VVFの外装はニッパーで少し切れ込みを入れて剥けば十分ですか?

A. 可能ではありますが推奨しません。導体傷つきや寸法のバラつきが起きやすく、後の断線・発熱リスクにつながります。VVF専用ストリッパーを使うと、速く・均一に・安全に仕上がります。

Q. 同軸の段剥き寸法はどこで確認しますか?

A. 使用するコネクタ(F型、BNC、圧着・圧縮タイプなど)のメーカー仕様書に記載されています。ケーブル銘柄によっても微差が出るため、施工前に一度試し剥きでフィットを確認するのが確実です。

Q. LANケーブルの外装が硬くて芯線を傷つけがちです。

A. 刃圧を弱めにし、外装に浅くスコアリングして「割く」イメージで剥いてください。専用ストリッパーは刃が外装にのみ当たる設計のものが多く、安全性が高まります。

Q. 1本で何でも剥ける万能ストリッパーはありますか?

A. 汎用タイプはありますが、作業品質とスピードを重視するなら用途別の専用工具が有利です。現場では「VVF用」と「通信系用」を分けて持つのが定番です。

まとめ:最小の力で、最大の品質を

ケーブルストリッパーは、配線作業の「速さ・きれいさ・安全性」を底上げする要の道具です。ポイントは「対象ケーブルに合う専用タイプを選ぶ」「ゲージと寸法を守る」「導体を絶対に傷つけない」の3つ。初めての方ほど専用工具の恩恵は大きく、仕上がりの安定が自信につながります。ぜひ本記事を手元に、実際の現場で1本ずつ確実に手を慣らしていってください。迷ったときは、VVF用・同軸用・LAN用の3ジャンルから用途に合うものを選ぶのが近道です。あなたの現場が、もっとラクで、もっと安全になりますように。

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執筆者: 株式会社MIRIX(ミリックス)

内装工事/原状回復/リノベーション/設備更新(空調・衛生・電気)

  • 所在地:東京都港区白金3-11-17-206
  • 事業内容:内装工事、原状回復、リノベーション、設備更新(空調・水道・衛生・電気)、レイアウト設計、法令手続き支援など内装全般
  • 施工エリア:東京23区(近郊応相談)
  • 実績:内装仕上げ一式、オフィス原状回復、オフィス移転、戸建てリノベーション、飲食店内装、スケルトン戻し・軽天間仕切・床/壁/天井仕上げ、設備更新 等
  • 許可・保険:建設業許可東京都知事許可 (般4)第156373号、賠償責任保険、労災完備
  • 品質・安全:社内施工基準書/安全衛生計画に基づく現場管理、是正手順とアフター基準を公開
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