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建設現場で使うドライバーとは?種類・選び方・使い方を徹底解説【初心者でも失敗しない】

  1. 内装職人がよく言う「ドライバー」って何?種類・選び方・現場の言い回しまで一気に理解
  2. ドライバー
    1. 定義
  3. 現場での使い方
    1. 言い回し・別称
    2. 使用例(3つ)
    3. 使う場面・工程
    4. 関連語
  4. 種類と特徴(現場でよく使うドライバー)
    1. 手回しドライバー
    2. インパクトドライバー(充電式)
    3. ドリルドライバー(充電式)
    4. ボード用スクリューガン/オートフィード
    5. ドライバービット
  5. 選び方のポイント(失敗しない基準)
    1. 1. 作業内容で選ぶ
    2. 2. ビット規格と番手
    3. 3. トルクとモード
    4. 4. 重さとバッテリー
    5. 5. 付加機能
  6. 基本の使い方(手順とコツ)
    1. 1. 下準備
    2. 2. セットと姿勢
    3. 3. 締め込み
    4. 4. 取り外し
  7. よくある失敗と対策
    1. ボードの紙を破った
    2. ねじ頭をナメた(つぶした)
    3. ビットがすぐ折れる・欠ける
    4. 下地を貫通・空打ち
    5. 金物を破損
  8. 安全対策と現場マナー
  9. 代表的なメーカーと特徴(電動・手回し)
  10. 作業別の具体的な選定例
    1. 軽天(LGS)でテックス留め
    2. PB(石膏ボード)張り
    3. 金物・建具調整
  11. 用語の補足(知っておくと現場で困らない)
  12. 現場の会話例(意味つき)
  13. トラブル対処の小ワザ
  14. よくある質問(FAQ)
    1. Q1. 「ドライバー」と言われたら、手回しと電動どっちを持っていけばいい?
    2. Q2. プラス#2ってそんなに大事?
    3. Q3. ボードの紙がよく破れてしまいます
    4. Q4. インパクトとドリルドライバー、どちらを先に買うべき?
    5. Q5. 海外表記のPH2とJIS#2は同じ?
    6. Q6. 10.8Vでも現場で使える?
  15. まとめ:現場で迷わない「ドライバー」の使い分け
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内装職人がよく言う「ドライバー」って何?種類・選び方・現場の言い回しまで一気に理解

「現場で“ドライバー持ってきて”と言われたけど、手で回すアレ?それとも電動のやつ?」——はじめて建設内装の現場に入ると、こんな疑問を抱く方が少なくありません。この記事では、内装工事で日常的に使われる現場ワード「ドライバー」を、プロの目線でわかりやすく解説。違いがわかりにくい種類の整理から、選ぶコツ、具体的な使い方、失敗しないための注意点、現場での呼び方・言い回しまで、初心者が安心して作業できるところまで丁寧にお届けします。

ドライバー

読み仮名どらいばー
英語表記screwdriver(手回し)/power screwdriver・driver/impact driver/drill driver

定義

建設内装現場で「ドライバー」と言った場合、文脈によって次のいずれか、または複数を含む総称として使われます。1)手で回してネジを締め緩めする工具(手回しドライバー)、2)バッテリーや電源でビスを打つ電動工具(インパクトドライバー・ドリルドライバー・ボード用スクリューガン)、3)電動工具に装着する先端工具(ドライバービット)。現場では特に「インパクト(=インパクトドライバー)」を指して「ドライバー」と呼ぶことが多く、手回しのときは「手ドラ」「+(プラス)ドライバー」「−(マイナス)ドライバー」など、補足して区別するのが一般的です。

現場での使い方

言い回し・別称

現場では次のような言い回しが頻出です。どれも「ドライバー」を指しますが、状況により意味合いが変わります。

  • インパクト(=インパクトドライバーの略):「インパクト持ってきて」→充電式の打撃式ドライバーを指すことが多い
  • 電ドラ(=電動ドライバー):「電ドラで仮止めしといて」→打撃のないドリルドライバーや小型電ドラを指す場合も
  • 手ドラ(=手回しドライバー):「最後は手ドラで締めすぎ防止」→仕上げや微調整で使用
  • ビット(=ドライバービット):「プラス2番のビットある?」→先端工具の番手指定
  • ボード用ビット/深さストッパー:「紙破らないようにボード用使って」→石膏ボード専用の深さ調整付きビット

使用例(3つ)

  • 「この間柱はテックスで留めて。インパクトにプラス2のビット入れといて」
  • 「PB張りは沈み過ぎ注意。ボード用ビットで頭を面一にね」
  • 「金物は最後手ドラで増し締めしよう。ナメたら交換になるから」

使う場面・工程

  • 軽天(LGS)下地:スタッド・ランナーの固定、吊りボルト金物、セルフドリリングスクリュー(通称テックス)
  • 木下地・造作:胴縁・根太の固定、建具枠・金物の取付、家具・巾木・笠木のビス止め
  • ボード工事:石膏ボード(PB)張りのビス打ち(深さ管理が重要)
  • 仕上げ・設備:コンセント・スイッチプレート、棚受、金具類の固定・調整

関連語

  • ビス/ねじ:固定材。番手(#2など)や径・長さの選定が必要
  • ビット:ドライバー先端。プラス(PH/JIS)、マイナス、六角、ポジドライブ、トルクスなど
  • クラッチ:締付トルクを制御する機構(ドリルドライバー等)
  • カムアウト/ナメる:ビットが浮いて頭を傷める現象
  • テックス:薄鋼板に使うセルフドリリングスクリューの通称
  • スクリューガン:ボード専用の電動ドライバー(深さ調整付き)

種類と特徴(現場でよく使うドライバー)

手回しドライバー

もっとも基本の工具。仕上げの微調整や、締めすぎ厳禁の金物で活躍します。種類はプラス(十字)とマイナス(−)が中心。サイズ(番手)はプラスなら#1(小ねじ)、#2(汎用)、#3(大径ビス)を使い分けます。狭所用の短柄(スタビー)、早回ししやすいラチェット式、精密ドライバーなどもあります。

インパクトドライバー(充電式)

最も現場使用率が高い電動ドライバー。打撃でビスを一気に締め込めるため、下地組みやボード張りの効率が抜群。18V(36V含むマルチボルト)クラスが主流で、14.4V、10.8V(12V系)など軽量モデルもあります。打撃の強さや回転数を切り替えできる多段モードが一般的。繊細な金物は強モードだと壊しやすいため、弱モードや手ドラ併用が安心です。

ドリルドライバー(充電式)

回転+クラッチでトルク管理できる電動ドライバー。インパクト非推奨の化粧ビスや家具・金物の締結、下穴あけ、コア抜きの先導などに向きます。クラッチで締め込み過ぎを防げるのが利点。仕上げの多い内装では1台あると安心です。

ボード用スクリューガン/オートフィード

石膏ボード張りに特化した電動ドライバー。ノーズピースで深さを一定に保ち、ビス頭を紙面に面一で素早く揃えられます。ビス連結(オートフィード)タイプなら大量張りで圧倒的に効率的。ただし汎用性は低く、ボード以外の作業では通常のインパクトやドリルドライバーを使います。

ドライバービット

電動ドライバーの先端工具。代表的なのはプラス(JIS/PH)#2。長さは25mm(ショート)、65mm(標準)、110mm(ロング)など。マグネット付き、ダブルエンド、衝撃対応(S2鋼など)、コーティング(チタン・ダイヤモンド粒子)など多様。ボード用の深さストッパー付きビットは、紙破れを防ぐ定番アイテムです。

選び方のポイント(失敗しない基準)

1. 作業内容で選ぶ

  • 下地組み・ビス大量打ち:インパクトドライバー(18V)+予備バッテリー
  • 仕上げ金物・家具:ドリルドライバー(クラッチ付き)+手ドラで最終調整
  • 石膏ボード張り:インパクト+深さストッパービット、またはスクリューガン
  • 狭所・天井作業が多い:軽量・短胴モデル(10.8V〜14.4V)やアングルアダプター

2. ビット規格と番手

プラスは#2が現場の標準。小ねじや化粧ビスは#1、大径ビスは#3を使用。日本のネジはJIS規格が多く、フィリップス(PH)と微妙に角度が異なるため、合っていないビットだとカムアウトやナメの原因になります。基本はJIS/PH両対応や、対象ネジに合うビットを選びましょう。

3. トルクとモード

インパクトは強/中/弱の切替があると便利。繊細な作業は弱、下地やテックスは中〜強。ドリルドライバーはクラッチ段数が多いほど調整しやすく、仕上げでの失敗が減ります。

4. 重さとバッテリー

天井や長時間作業では軽さが効率と安全に直結。18Vでも軽量モデルやコンパクトバッテリー(2.0〜3.0Ah)を併用し、腰道具の負担を減らしましょう。連続作業時は容量5.0Ahクラスをローテーション。

5. 付加機能

  • LEDライト:暗所のねじ頭視認に有効
  • ビットホルダー・ベルトフック:作業効率アップ
  • 無段変速・ソフトスタート:仕上げの微調整がしやすい
  • 防塵・防滴:粉じんが多いボード工事で有利

基本の使い方(手順とコツ)

1. 下準備

  • ねじとビットの番手を合わせる(例:PBビスはプラス#2が基本)
  • 素材に合ったねじを選ぶ(LGSはテックス、木下地は木ねじ、PBはボードビス)
  • 必要に応じて下穴をあける(割れ防止・位置ズレ対策)

2. セットと姿勢

  • ビットは奥まで確実に差し込む(ロック確認)
  • ねじ頭にまっすぐ当て、初期は低速で回す
  • 体は正対、両手で保持(片手は本体、もう片手は首元を添える)

3. 締め込み

  • 素材に刺さったら回転数を上げる。インパクトはモード「中」から様子見
  • ボードは頭が面一になったら止める(紙破り厳禁)
  • 金物は最後を手ドラで増し締めして仕上がりを確認

4. 取り外し

  • 逆転に切替えて、ビットをしっかり押し当てたまま回す
  • ナメそうなら無理をせず、潤滑剤やゴムシート、専用外しビットを検討

よくある失敗と対策

ボードの紙を破った

原因は締め過ぎ。深さストッパー付きビットを使い、モードは弱〜中で。破った箇所はパテ前に補修(場合により打ち直し)。

ねじ頭をナメた(つぶした)

ビットと番手の不一致、押し当て不足、斜め当てが原因。正しい番手・規格のビットを使用し、体重を乗せてまっすぐ押す。摩耗したビットは即交換。

ビットがすぐ折れる・欠ける

強モード固定、硬い下地への無理打ち、安価ビットの酷使などが原因。モードを適宜切替え、予備として衝撃対応の良質ビットを常備。

下地を貫通・空打ち

ビスが長過ぎる、位置確認不足。材料厚+下地を考慮した長さを選定し、墨・探知で位置を確認。

金物を破損

インパクトの打撃が強過ぎ。クラッチ付きドリルドライバーで締め、最後は手ドラで微調整する。

安全対策と現場マナー

  • 保護具:保護メガネ、手袋、天井作業は落下防止のストラップ
  • 姿勢・足場:脚立上は無理な姿勢を取らず、ビス・工具落下に注意
  • 養生:仕上げ面や床を傷つけないよう、機体の角やビスの落下に配慮
  • 整備:バッテリー接点の清掃、ビットの摩耗チェック、異音・発熱時は使用中止
  • 粉じん:ボード粉は機体に入りやすい。休憩時にブロワーで軽く清掃(過度な高圧直当てはNG)

代表的なメーカーと特徴(電動・手回し)

電動ドライバー(充電式)

  • Makita(マキタ):国内大手。軽量・高出力・ラインナップが豊富。18V/40Vmaxなど幅広い互換性
  • HiKOKI(ハイコーキ):旧日立工機。マルチボルト(36V/18V両用)や打撃制御に強み
  • Panasonic:軽量・コンパクトで内装・電工ユーザーに人気。クラッチの質感や仕上げ用途に定評
  • BOSCH(ボッシュ):ドイツメーカー。堅牢でバランスのよいモデルが多い。12V系の小型機も有名

手回し・ビット

  • Vessel(ベッセル):国内の定番。JIS規格対応の先端精度に信頼
  • ANEX(兼古製作所):ビット・差替えドライバーが豊富。狭所・特殊ビットが充実
  • KTC、TONE:耐久性の高いプロ用ハンドツール
  • Wera(ヴェラ)、PB Swiss Tools:海外高級ブランド。握りやすさ・先端精度が高い

メーカーをまたぐとバッテリー互換がないため、電動は基本的に一社で統一すると管理が楽です。ビットはどのメーカーでも使える六角対辺6.35mmが標準です。

作業別の具体的な選定例

軽天(LGS)でテックス留め

インパクト18V+プラス#2ビット。厚い鋼板には下穴や適正ビス(ドリル長)を選び、過度な打撃は控えめに。

PB(石膏ボード)張り

インパクト+深さストッパー付きビット。ビスピッチ・端部離れ・めり込み深さを規定通りに。仕上げ品質と耐力に直結します。

金物・建具調整

ドリルドライバー(クラッチ低設定)+手ドラ。化粧ビスは手ドラ仕上げでキズ・陥没を防止。

用語の補足(知っておくと現場で困らない)

  • 面一(ツライチ):ビス頭が表面と同じ高さにそろっている状態
  • 座グリ・皿取り:ビス頭がきれいに収まるように穴を加工すること
  • 食いつき:ビットがねじ頭にしっかり噛むこと。先端の摩耗で悪化
  • 打ち替え:失敗したビスを抜いて新しい位置に打ち直すこと

現場の会話例(意味つき)

  • 「こっちは弱モードでいこう」=仕上げ物や割れやすい材で、締めすぎ防止
  • 「2番ロング貸して」=プラス#2の110mmなど長いビットを貸してほしい
  • 「頭飛びそうだから手ドラで」=インパクトだとナメそうなので手回しで微調整

トラブル対処の小ワザ

  • ナメかけた頭には、摩耗していない新しいビット+強い押し付けで一度で決める
  • 外しにくいときは衝撃を与えず、低速・一定押圧で粘る。無理なら専用外しビット
  • マグネットに粉が溜まったらテープでペタペタ取ると回復が早い

よくある質問(FAQ)

Q1. 「ドライバー」と言われたら、手回しと電動どっちを持っていけばいい?

現場では電動(特にインパクト)を指すことが多いです。ただし状況で異なるため、「電ドラ?手ドラ?」と一言確認すると確実です。

Q2. プラス#2ってそんなに大事?

内装で打つビスの大半がプラス#2です。#1や#3は合わないことが多く、ナメやすいので、#2の良質ビットを複数本常備しましょう。

Q3. ボードの紙がよく破れてしまいます

深さ管理が不十分です。深さストッパー付きビットを使い、モードは弱〜中、押し付けを一定にして、面一で止める練習を。

Q4. インパクトとドリルドライバー、どちらを先に買うべき?

内装の汎用性で言えばインパクトが先。仕上げ中心ならクラッチ付きドリルドライバーも早めに揃えると失敗が減ります。

Q5. 海外表記のPH2とJIS#2は同じ?

ほぼ対応しますが、ネジ規格や精度差で噛み合いが変わります。相性が悪いと感じたら別メーカーのビットやJIS表記のものを試してみてください。

Q6. 10.8Vでも現場で使える?

軽作業や仕上げ、狭所では十分に使えます。大量打ちや厚物には18Vクラスを用意しましょう。

まとめ:現場で迷わない「ドライバー」の使い分け

・「ドライバー」は文脈で手回し・電動・ビットまで含む総称。現場ではインパクトを指すことが多いので、疑わしければ確認を。

・種類は手回し、インパクト、ドリルドライバー、ボード用スクリューガン。作業に合わせた使い分けが品質と効率を決めます。

・選び方の肝は、作業内容、ビット番手(特にプラス#2)、トルク・モード、軽さ、深さ管理。ボードは深さストッパーで紙破りを防止。

・失敗の大半は「締めすぎ」「ビット不一致」「姿勢・押し付け不足」。基本を守ればトラブルは激減します。

・メーカーは電動は統一、ビットは良質なものを複数常備。メンテと安全対策で、毎日の作業がぐっと快適になります。

この記事を手元メモ代わりに、まずはプラス#2のビットを新調し、深さストッパーでボードの面一練習から始めてみましょう。今日から「ドライバー」がもっと頼れる相棒になります。

株式会社MIRIX/ミリックスのロゴ
執筆者: 株式会社MIRIX(ミリックス)

内装工事/原状回復/リノベーション/設備更新(空調・衛生・電気)

  • 所在地:東京都港区白金3-11-17-206
  • 事業内容:内装工事、原状回復、リノベーション、設備更新(空調・水道・衛生・電気)、レイアウト設計、法令手続き支援など内装全般
  • 施工エリア:東京23区(近郊応相談)
  • 実績:内装仕上げ一式、オフィス原状回復、オフィス移転、戸建てリノベーション、飲食店内装、スケルトン戻し・軽天間仕切・床/壁/天井仕上げ、設備更新 等
  • 許可・保険:建設業許可東京都知事許可 (般4)第156373号、賠償責任保険、労災完備
  • 品質・安全:社内施工基準書/安全衛生計画に基づく現場管理、是正手順とアフター基準を公開
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