原状回復で「残置物処理」の費用が高額になる具体的なケースとその理由を徹底解説!

原状回復時の「残置物処理」で高額請求されるケースと対応策

賃貸物件の退去時、「残置物処理」や「不用品撤去」に関して不安や疑問をお持ちではありませんか?
思いがけず高額な費用を請求された、という声もよく聞かれます。「何を処分すればいいの?」「費用の相場や注意点は?」といった疑問に寄り添い、この記事では、原状回復における残置物処理の実態や高額請求の事例、費用相場やコストを抑えるポイントまで、初心者の方にも分かりやすく丁寧に解説します。
読後には、安心して退去準備を進められるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。

原状回復と残置物処理の基礎知識

原状回復とは?

賃貸物件を退去する際、入居前の状態(原状)に戻すことを「原状回復」といいます。国土交通省のガイドラインによると、「通常の使用による損耗や経年劣化」を除き、借主の責任による損傷や改造、残された物品(残置物)は借主が対応すべきとされています。

残置物処理とは?

残置物とは、退去時に借主が置いていった家具や家電、生活用品などの総称です。これらを撤去・処分する作業を「残置物処理」と呼びます。原則として、残置物は借主が責任を持って撤去しなければならず、放置すると管理会社や大家が処分し、費用を請求されるケースが多いです。

退去時に発生しやすい残置物の例

「何を処分すればいいの?」と疑問を持つ方のために、退去時によく問題になる残置物の例を挙げます。

  • 大型家具(ベッド、タンス、ソファ、食器棚など)
  • 家電製品(冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、エアコンなど)
  • カーテン、カーペット、マットレス
  • 自転車、タイヤ、工具類
  • 使い残しの生活雑貨や衣類、本、雑誌
  • 観葉植物やガーデニング用品
  • 使いかけの消耗品やゴミ袋

これらの残置物を処分せずに退去した場合、原状回復費用の中に「残置物処理費用」として大きな金額が追加される可能性があります。

高額な残置物処理費用が発生する主なケース

1. 大量の不用品や大型家財を放置した場合

退去の際、忙しさや「どうせ処分してくれるだろう」との考えから、大型家具や家電、生活用品をそのまま残してしまうと、回収・運搬・処分に多大な手間とコストがかかります。これにより、数万円から十万円単位の高額な処理費用を請求されることも珍しくありません。

2. 分別されていないゴミや特殊な廃棄物の放置

ゴミやリサイクル対象品(家電リサイクル法対象品など)が分別されていない、もしくは危険物(スプレー缶、バッテリーなど)が混在している場合、処理業者による分別作業や追加料金が発生します。これも費用がかさむ大きな要因です。

3. エアコン・風呂釜・給湯器などの撤去

設置したままのエアコンや給湯設備は、取り外し・運搬・適正処理が必要です。特にエアコンは専門業者による取り外しが義務付けられており、1台あたり数千円〜1万円以上の費用がかかります。複数台あれば費用が跳ね上がります。

4. 長期間放置された物件のケース

引っ越し後に「後で取りに来る」と言って長期間残置物を放置すると、管理会社は内容物の確認・保管・通知・廃棄といった手続きが必要になり、その分の人件費や保管料が加算されることがあります。これが思わぬ高額請求につながります。

5. 管理会社やオーナーが指定業者へ一括依頼した場合

残置物が多い・分別が必要・作業の手間が大きい場合、管理会社やオーナーは提携の処理業者へ一括依頼します。この場合、業者の取り分や管理会社の手数料が上乗せされ、相場より高額な請求となることがあります。

高額請求事例から学ぶ注意点

実際に、退去時の残置物処理にまつわる高額請求の事例をいくつかご紹介します。よくあるパターンや注意すべきポイントを整理しました。

  • ベッドや冷蔵庫、電子レンジなど大型家電・家具6点を残した結果、撤去費用として8万円以上請求された。
  • 整理しきれなかった衣類や雑誌、食器類などを大量に残したことで、「分別・運搬・処理費用」として10万円を超える見積もりが届いた。
  • 退去後にエアコンとカーテンを残したが、管理会社が提携業者に依頼し、エアコン撤去費・廃棄料込みで3万円弱の請求があった。
  • ゴミ袋を複数置いたまま退去したところ、「原状回復費用に加算」として通常の清掃費用に2万円上乗せされた。

多くの場合、賃貸契約書や管理規約で「残置物は借主が撤去すること」が定められています。ルールを守らないことで、通常以上に高額な費用を負担する羽目になることが分かります。

原状回復費用・不要物撤去費用の相場

原状回復費用の内訳と一般的な相場

原状回復費用は、クリーニング・修繕・残置物撤去費などの総額で請求されます。1K・1Rのワンルーム〜1LDK程度の物件なら、原状回復費用の相場は3〜8万円程度ですが、これは「通常の状態で何も残さず退去した場合」の目安です。

  • ルームクリーニング:1万円〜2万円
  • クロス・床などの修繕費(汚れ・破損がある場合):1万円〜数万円
  • 残置物撤去・不用品処理:数千円〜数十万円(量や内容による)

「残置物処理込み」の場合、物量や内容によって追加費用が大きく変わります。特に大型家電・家具が多い場合は注意が必要です。

不要物撤去費用の相場

不要物の撤去費用は、業者や地域によりますが、一般的な相場は以下の通りです。

  • 単身用の少量撤去:1万円〜3万円
  • 2DK〜3LDKなど家族世帯の大量撤去:5万円〜20万円超
  • エアコン撤去:1台あたり5,000円〜1万円(設置状況による)
  • 冷蔵庫・洗濯機など家電リサイクル法対象品:1台あたり3,000円〜6,000円
  • ベッド・ソファなど大型家具:1点2,000〜5,000円前後

業者の出張費、階段作業料、特殊品の処分費用などが加算される場合もあるため、必ず見積もりを取りましょう。

コスト削減のための実践的なポイントとチェックリスト

自分で処分できるものは計画的に処分

業者を頼らず自分で処分することで、コストを大きく下げることができます。

  • 粗大ゴミは自治体の処分制度を利用(数百円〜数千円と安価)
  • リサイクル家電は指定引取場所へ持ち込み(リサイクル料金+運搬費のみ)
  • リユースショップ・フリマアプリで売却
  • 衣類・本などは寄付や資源回収を活用

早めに準備を始める

退去直前はバタバタしがち。早めに不要品の選別・処分を始めることで、計画的かつ低コストに進められます。

  • 退去が決まったらスケジュールを立て、週ごとに片付けを進める
  • 大型家具や家電は早めに処分予約をする
  • 粗大ゴミ収集やリサイクルの予約は混み合うため早めに申込む

業者選びは必ず複数社で見積もりを

不要品回収業者の費用は業者によって差が大きく、悪質業者による高額請求トラブルも報告されています。必ず複数の業者から見積もりを取り、内訳や作業内容を明確にしましょう。

  • 「即日回収」「格安」などのうたい文句だけで選ばない
  • 見積もり時に現地確認・内容説明を受ける
  • 追加費用が発生するケース(階段作業・深夜作業・分別作業など)を事前に確認

管理会社・大家さんとの連絡はこまめに

残置物や処分方法について疑問があれば、必ず管理会社や大家さんに相談しましょう。独断で残したり、勝手に処分するとトラブルの原因になります。

  • 備え付けの家電・家具(エアコン、照明など)は撤去が必要か確認
  • 共用部分やベランダの不用品も処分対象か確認
  • どうしても退去日に処分が間に合わない場合は事情を説明し、協議する

残置物処理・原状回復時のチェックリスト

  • 退去日より前にすべての不用品を分別・処分できるか確認
  • 粗大ゴミやリサイクル家電の手続きは済んでいるか
  • エアコンなど備え付け品の撤去要否を管理会社に確認したか
  • 残すもの・持ち出すもの・処分するものをリスト化したか
  • 見積書や作業内容の説明書類を受け取っているか
  • 現地立ち会い時に残置物がないことを確認したか

高額請求を防ぐために覚えておきたい契約・法律知識

賃貸契約書の確認が最優先

賃貸契約書には「残置物処理」に関する条項が必ず記載されています。「残置物があれば借主の責任で撤去・処分すること」と明記されている場合、退去後に何か残すとそのまま費用を請求されます。契約書をよく読み、分からない点は管理会社に確認しましょう。

国土交通省ガイドラインのポイント

原状回復に関しては、「国土交通省・原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に詳細がまとめられています。このガイドラインでは、通常の使用による損耗や経年劣化は借主の負担にならないとされていますが、残置物の処理費用は借主の負担です。

高額請求やトラブルがあった場合の相談先

もしも納得できない高額請求や不当な処理費用を請求された場合は、以下のような相談先があります。

  • 各地の消費生活センター(国民生活センター)
  • 都道府県・市区町村の住宅相談窓口
  • 弁護士や司法書士による法律相談
  • 賃貸住宅紛争防止条例(東京都など一部地域)による無料相談

泣き寝入りせず、契約書や見積書を手元に用意して相談してください。

原状回復の「残置物処理」で後悔しないために

原状回復時の「残置物処理」は、ちょっとした油断や「面倒だから」と後回しにしたことで思わぬ高額請求につながることがあります。しかし、事前の準備や知識があれば、不要な出費を防ぐことができます。
この記事でご紹介したチェックリストやコスト削減のポイントを活用し、「自分で処分できるものは自分で」「早めの準備と確認」「複数業者の見積もりと管理会社への相談」を心がけて、安心してスムーズな退去を目指しましょう。
万が一トラブルがあっても、相談先や法的ルールを知ることで冷静に対処できます。あなたの新しい生活が心地よくスタートできるよう、応援しています。