初心者でもわかる!内装設計でよく使われる専門用語をやさしく解説

内装設計の専門用語をやさしく解説!初心者が知っておきたい基礎知識と実践ポイント

家やオフィス、店舗などの内装を考えるとき、設計士や施工会社との打ち合わせで「間取り」「動線」「マテリアル」「スケール」など、聞き慣れない言葉がたくさん出てきて戸惑った経験はありませんか?専門用語がわからないと、自分の希望がうまく伝えられないのでは…と不安に思う方も多いはずです。でもご安心ください。本記事では、内装設計に関する代表的な専門用語を、初心者の方にもわかりやすく具体例やチェックポイントを交えて丁寧に解説します。これを読めば、打ち合わせや計画がぐっとスムーズに進むはずです。

内装設計とは?―まずは全体像を知ろう

内装設計とは、建物の内部空間を使いやすく、心地よく、安全に整えるための設計作業全般を指します。住宅だけでなく、オフィス、店舗、ホテル、病院など、さまざまな用途の建物が対象です。内装設計は単に「見た目をおしゃれにする」だけでなく、機能性や動きやすさ、住み心地、安全性、メンテナンス性など幅広い観点で考えられています。

  • 住む人・使う人の快適さ(温度・明るさ・騒音など)
  • 動きやすさ・使いやすさ(動線や収納など)
  • デザインの美しさや個性(色や素材の選定など)
  • 安全性や耐久性(スリップ防止、耐火性など)

このように多くの要素が絡み合っているため、内装設計ではさまざまな専門用語が使われます。ここからは、現場でよく登場するキーワードをひとつずつ分かりやすく解説していきます。

知っておきたい内装設計の基本用語

1. 間取り(まどり)

間取りとは、住宅や建物内部の部屋の配置・広さ・つながり方を指します。リビング、キッチン、寝室、トイレ、収納などがどこに位置し、どのくらいの広さで、どうつながっているかという「空間の設計図」です。

  • L字型・コの字型・田の字型:部屋の配置パターンの例
  • 2LDK・3LDK:部屋数+リビング・ダイニング・キッチンの略語
  • オープンプラン:壁を少なくし、広い空間を確保する設計

間取りは日当たりや風通し、生活動線にも大きく影響します。「家事がしやすいか」「プライバシーを保てるか」など生活スタイルに合わせて考えることが大切です。

  • 今の生活スタイルと家族構成に合っていますか?
  • 将来的な家族の変化にも対応できる間取りですか?
  • 収納スペースは十分ですか?

2. 動線(どうせん)

動線とは、人が室内でどのように動くかを示す「動きのルート」のこと。キッチンとダイニングの行き来や、玄関から洗面・リビングまでの流れなど、毎日の暮らしに直結する重要なポイントです。

  • 家事動線:料理・洗濯・掃除など家事を効率よくこなすためのルート
  • 生活動線:家に帰ってから寝るまでの主な移動経路
  • 来客動線:お客様が通るルートを配慮した設計

動線が複雑だと、無駄な移動やストレスが増え、家事効率も低下します。逆に動線がシンプルだと、生活がスムーズに。専門家はこれを図面上で矢印などで確認しながら計画しています。

  • 部屋の移動や家事の流れに無駄な遠回りがないかチェックしましょう。
  • 家族全員分の動線をイメージしましょう。
  • 子どもや高齢者にも安全なルートか確認しましょう。

3. マテリアル(材料・素材)

マテリアルとは、内装を構成する建材や素材のことです。床・壁・天井・建具・家具など、あらゆるパーツにマテリアルの選定が関わってきます。

  • フローリング・カーペット・タイル・クッションフロア(床材)
  • クロス(壁紙)・塗装・板貼り・タイル(壁材)
  • 木材・金属・ガラス・石材・プラスチック(その他)

選ぶマテリアルによって、見た目の印象、触り心地、掃除のしやすさ、耐久性、価格などが大きく変わります。デザイン性だけでなく、用途や家族構成、ペットの有無なども考慮して選びましょう。

  • 水回りは防水・防カビ・滑りにくい素材を選ぶ
  • 子ども部屋や高齢者のいる家庭は衝撃吸収・安全性の高い素材を
  • 傷や汚れに強い素材を選ぶとメンテナンスが楽

4. レイアウト

レイアウトとは、家具や照明、インテリア小物などの配置計画を指します。間取りが建物の「構造的な空間設計」だとすると、レイアウトは「実際の暮らし方・使い方」を具体的に形にするパートです。

  • ゾーニング:空間を使い方ごとに区分けして配置する手法
  • アイランド型キッチン、対面型キッチン:キッチンの配置例
  • リビングとダイニングを一体型にする:オープンレイアウト

レイアウトによって、空間の使い勝手や雰囲気が大きく変わります。家具の大きさや数、動線、家族や来客の人数などを考慮して、無理なく過ごせる配置にしましょう。

  • 窓や出入り口をふさがない配置にする
  • 通路幅は最低60cm〜90cmを確保する
  • 大きな家具は部屋の奥に、小さな家具や動かしやすい家具は手前に

5. 照明計画

照明計画とは、空間ごとに最適な明るさや照明器具の種類・配置を決めることです。部屋の用途やシーンに合わせて「全体照明」「部分照明」「間接照明」などを使い分けます。

  • 全体照明(シーリングライト、ダウンライト等):部屋全体を明るくする
  • 部分照明(ペンダントライト、スタンドライト等):作業スペースや読書用などに
  • 間接照明(コーブ照明、フットライト等):空間に奥行きややわらかさを演出

照明の色味(電球色・昼白色・昼光色)や、スイッチの位置・数も大切なポイントです。用途に応じて「調光」「調色」機能付きの照明を選ぶと便利です。

  • リビングはくつろぎと作業の両方に対応できる照明を
  • キッチンや洗面は手元が明るいことが重要
  • 寝室はまぶしすぎない間接照明がおすすめ

6. カラーコーディネート

カラーコーディネートは、室内で使う色の組み合わせを計画することです。壁・床・天井・家具・カーテン・アクセントカラーなど、全体の調和と個性をバランスよく整えます。

  • ベースカラー:空間の70%ほどを占める主な色(白・ベージュなど)
  • アソートカラー:全体の25%ほど。家具やカーテンなどに
  • アクセントカラー:全体の5%ほど。クッションや雑貨などに強調色を

暖色系(赤・オレンジ系)は温かみや活発さ、寒色系(青・グレー系)は落ち着きや清涼感を演出します。カラーバランスを考えて、好みや用途に合わせて選びましょう。

  • 色見本やサンプルで実際の仕上がりを確認する
  • 自然光と照明で色の見え方が変わる点に注意
  • 迷ったらベージュやグレーなどの中間色をベースに

7. アクセントウォール

アクセントウォールとは、部屋の一部の壁だけに個性的な色や素材を使い、空間に変化やメリハリをつける手法です。部屋全体を同じ色や素材にするよりも、印象をガラッと変える効果があります。

  • 色付きの壁紙や塗装(例:リビングの一部をブルーに)
  • タイル貼りや木目調パネル(例:寝室のベッド側壁)
  • 壁面収納や飾り棚との組み合わせ

アクセントウォールは、空間を広く見せたり、部屋の主役・見せ場をつくったりするのにも役立ちます。ただし、主張が強すぎる色や柄は飽きやすいため、バランスに注意しましょう。

  • アクセントに使う面は1〜2面までに抑えましょう
  • 家具やカーテンの色味とも合わせて統一感を出しましょう
  • 素材感の違い(タイル・木目・石調など)を楽しむのも◎

8. スケール(寸法感・スケール感)

スケールとは、建物や空間、家具の「大きさ」「広さ」「高さ」などの感覚を指します。図面上の数値だけでなく、実際にどのくらいの広さ・圧迫感・開放感を感じるかも重要なポイントです。

  • 天井高(2.3m〜2.5mが一般的。高いほど開放的、低いと落ち着いた雰囲気)
  • 通路幅(最低60cm、快適には80〜100cm)
  • 家具の奥行・高さ(ソファやテーブルのサイズ感)

「図面で見たときは広く感じたのに、実際に家具を置いたら狭かった」という失敗はスケール感の認識ミスが原因です。打ち合わせの際は、メジャーや紙テープで実寸を確認しながら計画しましょう。

  • モデルルームやショールームで実際のサイズ感を体験する
  • 家具のサイズと部屋の広さをメジャーで測ってみる
  • 動線を確保した上での家具配置をイメージする

9. モジュール(基準寸法・規格)

モジュールとは、建築で使う「基準となる寸法」や「規格」のこと。例えば、日本の住宅では「910mm(約3尺)」が基本のモジュールとされており、畳のサイズや柱の間隔、部屋の幅などがこれを元に設計されています。

  • 910モジュール:1間(けん)=910mm×6=5,460mm
  • メーターモジュール:1,000mmを基準(より広い設計)
  • 建具や家具もモジュールに合わせて作ると無駄が少ない

モジュールを揃えることで、無理のない設計やコストダウン、将来のリフォーム対応がしやすくなります。内装設計士や工務店とのやりとりでは「〇〇モジュールで」といった言い回しがよく出てきますので、覚えておくと便利です。

  • 畳や収納、ドアなどのサイズがモジュールに沿っているか
  • 使いやすさや家族構成に合った基準になっているか

内装設計のポイントを実践!初心者が気をつけるべきこと

専門用語を知るだけでなく、実際の計画や打ち合わせで役立つチェックポイント・注意点をまとめました。これから内装設計にチャレンジする方は、ぜひ参考にしてみてください。

  • 自分や家族のライフスタイルを整理しよう:どんな生活をしたいか、希望や困りごとを書き出しておく
  • 動線や使いやすさを最優先に:見た目だけでなく、毎日の動きやすさをイメージする
  • 素材や色は実際の見本で確認:小さなサンプルと実際の仕上がりは印象が違うので要注意
  • 家具や家電のサイズにも注意:買い替えや入れ替えにも対応できるゆとり設計を
  • 照明やコンセントの位置は暮らし方に合わせて:必要な場所に不足がないか、増設できるか確認
  • 予算と見積もりを明確に:オプションや仕様変更で価格が変わる場合はきちんと説明を受ける
  • 疑問や不安はその場で質問:わからない単語や図面記号は遠慮なく聞きましょう

また、設計士や業者に伝えるときは、写真やイメージ画像、スクラップブックなどを使うと希望が伝わりやすくなります。「こんな空間にしたい」という大まかなイメージでも大丈夫です。専門家はそれをもとに具体的な形にしてくれますので、どんどん相談しましょう。

まとめ:専門用語を味方に、理想の内装設計を実現しよう

初めての内装設計は、わからないことや不安も多いものですが、専門用語の意味を知ることで、打ち合わせや計画がぐっとスムーズに進みます。今回ご紹介した「間取り」「動線」「マテリアル」「レイアウト」「照明計画」「カラーコーディネート」「アクセントウォール」「スケール」「モジュール」といったキーワードは、どれも快適な空間づくりの大切な要素です。
「理解できた」「自分でもできそう」と感じられたなら、あなたの理想の暮らしはもうすぐそこ。勇気を出して一歩踏み出し、わからないことは遠慮なく専門家に質問してみてください。あなたのイメージや希望が、きっと素敵な空間として形になるはずです。
この記事が、みなさんの不安解消や計画のヒントになれば幸いです。理想の内装設計を一緒に実現していきましょう!