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仮設水道とは?現場で失敗しない選び方・設置方法とコスト削減のポイント

  1. 内装現場の「仮設水道」完全ガイド:意味・使い方・申請手順から費用まで
  2. 現場ワード(仮設水道)
    1. 定義
  3. 現場での使い方
    1. 言い回し・別称
    2. 使用例(3つ)
    3. 使う場面・工程
    4. 関連語
  4. 仮設水道の種類と選び方
    1. 1. 水道局の「臨時使用申請」で仮設メーターを設置
    2. 2. 既存建物の水を「許可の上で一時使用」
    3. 3. 貯水タンク+ポンプ(又は重力)で自前確保
  5. 設置手順とチェックリスト(内装現場向け)
    1. ステップ1:計画(工程・水量・排水の整理)
    2. ステップ2:申請・許可・共有ルール
    3. ステップ3:機材手配・設置
    4. ステップ4:試運転・表示・引き渡し
  6. 必要申請と法令・ルールの基本
  7. 費用の目安とコスト削減のポイント
    1. 主な費用項目
    2. コストダウンの実践策
  8. トラブル事例と防止策
    1. 1. 漏水で階下クレーム
    2. 2. 凍結・破裂
    3. 3. 逆流で衛生リスク
    4. 4. 排水トラブル
    5. 5. 近隣トラブル(道路のぬれ・泥はね)
  9. 冬季・衛生・安全管理のコツ
  10. 代表的なメーカー・資材の例(選定の目安)
  11. 内装現場でのベストプラクティス(実務のコツ)
  12. ミニ用語辞典(関連ワードの超要点)
  13. よくある質問(FAQ)
    1. Q1. 仮設水道の水は飲めますか?
    2. Q2. メーター無しで使うのは違法ですか?
    3. Q3. 電源がない場所で水圧が足りない場合は?
    4. Q4. 凍結防止の決め手は?
    5. Q5. 濁水や洗浄水はどこへ流せばいい?
  14. まとめ:仮設水道は「段取り7割、管理3割」
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内装現場の「仮設水道」完全ガイド:意味・使い方・申請手順から費用まで

「仮設水道って、そもそも何?どう準備すればいいの?」そんな不安や疑問、よく聞きます。内装やリフォームの現場では、パテや糊の練り作業、清掃、タイルの切断・洗浄など、意外と水を使う工程がたくさん。ところが水の準備が遅れると、作業が止まったり、近隣トラブルに発展することもあります。この記事では、現場ワード「仮設水道」を初心者にもわかりやすく解説。意味・使い方から、申請の流れ、設置のコツ、費用の目安、トラブル対策、冬季の凍結対策まで、現場のリアルと実践ポイントを網羅します。

現場ワード(仮設水道)

読み仮名かせつすいどう
英語表記Temporary Water Supply (Temporary Water Service)

定義

仮設水道とは、工事期間中だけ一時的に設ける給水設備のこと。新築や改修、内装工事などで必要な水を確保するために、敷地内に臨時の水栓(蛇口)やホース、メーターを設置して使います。水道事業者の臨時使用(仮設メーター)を申請して引く方法、既存建物の水を施主の許可のもとで分岐して使う方法、貯水タンク+ポンプで補う方法などがあり、現場の条件に合わせて選びます。基本的には「工事用の作業水」を確保する目的で、飲用や調理用としては使わないのが前提です(使用可否は衛生管理や表示の徹底が必要)。

現場での使い方

言い回し・別称

現場では以下のように呼ばれることがあります。地域や職種でニュアンスが少し変わりますが、指すものはほぼ同じです。

  • 仮設水栓/仮設蛇口(カセツの蛇口、仮蛇口)
  • 仮設給水/臨時給水/臨時メーター
  • 散水栓(散水ボックス)/水取り
  • 元締め(水道元栓)/量水器(メーター)

使用例(3つ)

  • 「来週からパテ入るから、仮設水道を今日中に立ち上げといて」
  • 「外部は凍結こわいから、夜は元栓閉めて水抜きしといてね」
  • 「高圧洗浄かけるから、25Aの仮設に切り替えて圧見てくれる?」

使う場面・工程

内装中心でも、次の工程で水が必要になります。

  • 下地調整・パテ練り、クロス糊の調整・洗浄
  • タイル・石の切断(湿式)と目地洗い
  • 床材の接着剤残りの拭き取り、引渡し前清掃
  • 粉塵抑えの散水、工具・容器の洗浄
  • 外構・左官(同時進行の現場では特に大量に使用)

関連語

  • 仮設電気/仮設トイレ/仮囲い
  • 散水栓ボックス/水栓柱/逆止弁(逆流防止)/減圧弁
  • 給水メーター(量水器)/元栓/配管(架橋ポリエチレン管、塩ビ、ホース)
  • 沈砂槽/汚泥処理/濁水処理/排水ルート
  • 保温材/凍結防止ヒーター/止水バルブ

仮設水道の種類と選び方

1. 水道局の「臨時使用申請」で仮設メーターを設置

新築や敷地内に給水がない場合の定番。水道事業者(自治体の水道局など)に臨時使用を申請し、仮設メーターを取り付けてもらいます。使用期間中は基本料金+従量料金が発生し、撤去時に精算します。利点は水量と水圧が安定し、法令順守でクレームになりにくいこと。工期が長い/水量が多い現場はこれがベストです。

2. 既存建物の水を「許可の上で一時使用」

テナント改装や住戸リフォームでよくあるケース。施主・管理者の承諾を得たうえで、既存の散水栓や室内水栓から分岐し、作業用ホースを引きます。メーターは既存のものをそのまま使うため、使用量の清算方法(定額・メーター読み・日割り等)を事前に取り決め、逆流防止・漏水対策を徹底しましょう。

3. 貯水タンク+ポンプ(又は重力)で自前確保

水道本管からの給水が難しい・短期間だけ・夜間作業のみ、といった条件で使います。ポリタンクやIBCタンクに水を貯め、電動ポンプで圧送。利点は手続きが不要で柔軟なこと、欠点は補給や衛生・圧力の管理が必要なことです。飲用不可の表示、転倒防止、漏水受け盤の設置は必須です。

設置手順とチェックリスト(内装現場向け)

ステップ1:計画(工程・水量・排水の整理)

  • どの工程で、1日どの程度の水量が必要か(パテ・糊・清掃・洗浄)
  • 同時に使う人数(同時開栓数)と必要水圧(高圧洗浄機等の要件)
  • 排水の行き先(屋外散水なら雨水に流さない、濁水は沈砂・ろ過を検討)
  • 飲用水は別手配か(工事用水は原則「飲用不可」表示)

ステップ2:申請・許可・共有ルール

  • 水道局への臨時使用申請(必要書類・期間・口径・設置位置を確認)
  • 既存水の使用時は、施主・管理会社の承諾書と清算方法を取り決め
  • 複数業者で共有する場合、鍵付き散水ボックスや日報で管理

ステップ3:機材手配・設置

  • 散水栓ボックス(地中型)や水栓柱、逆止弁、減圧弁、ホース、分岐継手
  • 倒れ止め(単管で支柱固定)、通路は段差養生、踏み越えマットを設置
  • 屋内は漏水受けのトレイ・養生シート、防水テープで接続部を保護
  • 冬季は保温材・ヒーター、屋外は直射日光と車両からの防護柵

ステップ4:試運転・表示・引き渡し

  • 通水試験(全開・同時開栓・圧力確認)、10〜15分の漏水監視
  • 「飲用不可」「元栓位置」「緊急時連絡先」を表示
  • 夜間は元栓閉止・水抜き、凍結エリアはヒーター通電を確認

必要申請と法令・ルールの基本

仮設水道は各自治体の給水条例・規程に基づく運用です。一般的には、工事期間中の臨時使用は申請が必要で、メーター設置位置や口径、逆止弁の設置など技術基準が定められています。無断使用や近隣からの「勝手に使っているのでは?」という疑念を避けるためにも、正規手続きが安心です。排水についても、濁水・洗浄水をそのまま雨水側溝に流すのはNGが原則。沈砂槽やフィルターで処理し、下水道へ流せる状態にする、または回収処分するなど、現場ごとに管理者の指示に従いましょう。具体的な様式や手数料は自治体で異なるため、着工前に必ず管轄の水道事業者へ確認しましょう。

費用の目安とコスト削減のポイント

主な費用項目

  • 申請関連:臨時使用の申請手数料、メーターの保証金・設置費(自治体により差)
  • 基本料金・従量料金:使用期間と使用水量に応じて毎月発生
  • 機材費:散水栓ボックス/水栓柱、逆止弁、ホース、分岐継手、保温材、鍵付きカバー
  • 施工・撤去費:配管・固定・試験・撤去の手間

コストダウンの実践策

  • 口径の適正化:同時使用が少ない現場は20Aで十分なことが多い
  • 期間短縮:必要なタイミングに合わせて設置・撤去、無駄な基本料金を避ける
  • レンタル活用:散水ボックスやポンプはレンタルで初期費用を抑える
  • 漏水ゼロの徹底:夜間は元栓閉止、接続はワンタッチ継手+バンドで二重ロック
  • 節水機器:高圧洗浄機の節水ノズル、ホースガンで無駄流し防止
  • 清掃計画:最終清掃を一気に行い、同日撤収で日数を短縮

トラブル事例と防止策

1. 漏水で階下クレーム

原因はホース抜け・継手の緩み・バケツの溢れなど。対策は「接続部の二重固定」「屋内は受け盤と防水養生」「作業離れ時は必ず止水」「夜間は元栓閉止」。

2. 凍結・破裂

屋外露出配管やボックス内の水たまりが氷結して破損。対策は「保温材巻き+ヒーター」「水抜き(高所から順に)」「深夜の滴下運転は原則避ける(周囲への漏水懸念)」。

3. 逆流で衛生リスク

ホース先端をバケツ内に浸けっぱなし、負圧で逆流し本管に汚水が戻る恐れ。逆止弁・エアギャップを必ず確保し、先端を水面より上に保つ。飲用系統と共用しないこと。

4. 排水トラブル

モルタル残渣や目地材で排水詰まり。沈砂槽の設置、固形物は網で回収、残材は固化・回収処分。マンホールへ直接流し込みは避ける。

5. 近隣トラブル(道路のぬれ・泥はね)

散水時は飛散防止ノズル、路面は必要最小限、作業後はほうき+モップで仕上げ。歩行者動線には注意喚起表示を。

冬季・衛生・安全管理のコツ

  • 凍結帯では配管露出最小化、保温材+ヒーター、夜は元栓閉止と水抜き
  • 「飲用不可」の明示。飲料は別ライン・ウォーターサーバー等を準備
  • 電動工具周りはぬれ厳禁。濡れた床は防滑養生、漏電ブレーカ付き電源を使用
  • ホースは通路を横切らない計画。やむを得ない場合は踏み越え養生で転倒防止
  • タンク運搬は少量分割(20kg超の手運びは避ける)、台車活用

代表的なメーカー・資材の例(選定の目安)

仮設水道は規格品の組み合わせで構成します。以下は現場で採用実績の多い分野別の代表例です(順不同)。具体の採用は現場条件・在庫・価格で決めましょう。

  • 散水栓・水栓柱・水栓金具:カクダイ(KAKUDAI)、LIXIL(INAX)、TOTO、KVK
  • 継手・バルブ・逆止弁:前澤給装工業、キッツ(KITZ)、ベン(VENN)
  • 配管材:積水化学工業(架橋ポリエチレン管・ポリ管)、クボタケミックス(塩ビ管)
  • ホース・クイック継手:トヨックス(TOYOX)、タカギ(takagi)
  • 散水ボックス・桝類:前澤化成工業、LIXIL

ポイントは「現場の同時使用量に見合う口径」「逆流防止の確実な実装」「着脱が早く漏れにくい継手」の3点です。

内装現場でのベストプラクティス(実務のコツ)

  • 初回工程会議で「仮設水道の位置・口径・鍵管理・使用時間帯」を共有
  • 散水ボックスは通路から少し外した位置に。車両導線には単管ガード
  • ホースは色分け(清水用/汚水用/洗浄用)し、先端は床につけない
  • 作業終了チェックリスト:元栓閉、室内蛇口開放で圧抜き、漏れ跡確認、表示復旧
  • 撤去時は「泥の付着ゼロ」を意識。道路・共用部の水洗いは最小限で段取り良く

ミニ用語辞典(関連ワードの超要点)

  • 散水栓ボックス:地中に埋設する蓋付きの蛇口箱。鍵付きで管理しやすい
  • 逆止弁(チェックバルブ):水の逆流を防ぐ弁。衛生・法令順守の要
  • 減圧弁:水圧を安定化。高圧地域や機器保護に有効
  • 量水器(メーター):使用量を計測。仮設では臨時メーターを設置する場合が多い
  • 沈砂槽:砂・泥を沈めて回収する槽。濁水の直放流を防ぐ

よくある質問(FAQ)

Q1. 仮設水道の水は飲めますか?

原則「工事用水」であり飲用は想定していません。衛生面と逆流防止の観点からも、飲料は別途用意し、「飲用不可」の表示を必ず行いましょう。

Q2. メーター無しで使うのは違法ですか?

新築敷地など本管からの臨時使用は、通常は水道事業者への申請とメーター設置が必要です。既存建物の水を施主許可で使う場合でも、清算と逆流防止を明確に。詳しくは管轄の水道事業者・管理者の指示に従ってください。

Q3. 電源がない場所で水圧が足りない場合は?

重力給水(高所にタンクを置く)でも対応できますが、圧力は限定的です。可能ならポータブル電源+小型ポンプ、またはエンジン式ポンプを検討します。安全上、発電機の排気・騒音対策も忘れずに。

Q4. 凍結防止の決め手は?

露出長を短くし、保温材+ヒーターでカバー。夜間は元栓を閉めて高所から順に水抜き。ボックス内の溜まり水もスポンジ等で除去します。

Q5. 濁水や洗浄水はどこへ流せばいい?

そのまま路上や雨水側溝へ流すのは原則NG。沈砂・ろ過して下水へ、または回収処分。現場のルールと行政の指導に従いましょう。

まとめ:仮設水道は「段取り7割、管理3割」

仮設水道は、内装の品質と工程管理に直結する“現場ライフライン”。着工前の計画と適切な申請、使いやすい位置と安全な配管、漏水ゼロの運用、冬季対策と近隣配慮。この4点を押さえれば、多くのトラブルは未然に防げます。まずは工程表に「仮設水道の設置・撤去」を明記し、同時使用量から口径を決め、逆止弁・保温・表示を標準装備に。迷ったら、管轄の水道事業者や設備業者に早めに相談しましょう。今日から現場で「仮設水道、もう準備OK?」と一言。段取り上手な現場は、結果も綺麗に仕上がります。

株式会社MIRIX/ミリックスのロゴ
執筆者: 株式会社MIRIX(ミリックス)

内装工事/原状回復/リノベーション/設備更新(空調・衛生・電気)

  • 所在地:東京都港区白金3-11-17-206
  • 事業内容:内装工事、原状回復、リノベーション、設備更新(空調・水道・衛生・電気)、レイアウト設計、法令手続き支援など内装全般
  • 施工エリア:東京23区(近郊応相談)
  • 実績:内装仕上げ一式、オフィス原状回復、オフィス移転、戸建てリノベーション、飲食店内装、スケルトン戻し・軽天間仕切・床/壁/天井仕上げ、設備更新 等
  • 許可・保険:建設業許可東京都知事許可 (般4)第156373号、賠償責任保険、労災完備
  • 品質・安全:社内施工基準書/安全衛生計画に基づく現場管理、是正手順とアフター基準を公開
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