アスベスト問題を正しく知る:使用年代・規制の歴史・安全リノベーションの実践ポイント【新宿区で戸建てを検討の方へ】
「うちの家はいつ建てたんだっけ…」「リノベーションしたいけど、アスベストが使われていないか心配」——
近年リフォームやリノベーションを検討される方から、こうしたご不安やご相談が増えています。特に新宿区のような都市部では、築年数が経過した戸建てやマンションも多く、「アスベスト(石綿)」のリスクを正しく知ることが、住まいの安全・健康を守る第一歩です。
この記事では初めての方にもわかりやすく、アスベストの使用年代・規制の変遷・健康影響・被害実態・関連法改正の歴史を時系列で整理。
さらに、安全なリノベーションの進め方と戸建て住宅で絶対に押さえておきたい注意点まで、実践的なポイントを具体的にご紹介します。
「何から調べればいいの?」「業者の選び方は?」といった疑問や不安も、この記事を読めばすっきり解消。
ご自身やご家族、そして大切な住まいを守るために、ぜひ最後までご一読ください。
アスベストとは?基礎知識から健康影響まで
アスベスト(石綿)とは何か?
アスベスト(石綿)は、天然の鉱物繊維で耐熱性・耐薬品性・絶縁性などに優れており、1970年代~1990年代初頭にかけて日本の建築現場で多用されてきました。細かい繊維状のため、空気中に舞いやすい特性があります。このため飛散すると人体への健康リスクが高まることが知られています。
アスベストの主な用途とどこに使われたか
日本でのアスベストの主な用途は以下の通りです。
- 建築資材(吹付け材、壁・天井・床の下地材、サイディング、屋根材、配管の断熱材など)
- 自動車部品(ブレーキライニング等)
- 工業製品(ボイラー、電気機器、化学プラントの耐熱部材 など)
特に住宅では、1970年代後半~1980年代の戸建て・マンションに多く使用されています。築30年以上の住宅では、壁や天井の裏側、天井板や床材、配管周りの断熱材などにアスベストが含まれているケースが少なくありません。
アスベストの健康影響 年表:何が問題なのか
アスベストの影響はすぐには現れません。吸い込んだ場合、以下のような深刻な健康被害が知られています。
- 石綿肺(じん肺の一種。肺が硬くなり呼吸困難を起こす)
- 肺がん
- 悪性中皮腫(肺や腹膜のがんで、発症まで20~40年かかることが多い)
アスベストによる健康被害は「長い潜伏期間」が特徴で、1970~80年代の作業従事者やその家族の間で2000年代以降に発症・訴訟が相次いでいます。
- 1950年代~:アスベストによるじん肺の報告が日本でも始まる
- 1970年代:国際的にアスベストの発がん性が注目され始める
- 1995年:悪性中皮腫の患者数が顕在化、社会問題化
- 2005年:「クボタショック」(尼崎工場周辺の住民被害)で社会的関心が急拡大
アスベストの使用年代・規制の変遷
アスベストの使用推移(日本国内)
日本でアスベストが本格的に使われ始めたのは1920~30年代ですが、最も多く使われたのは高度経済成長期(1960年代後半~1980年代)です。特に1970年代後半には年間30万トン以上のアスベストが輸入され、建設業界で大量に消費されました。
- 1920~1950年代:一部産業・建築資材で限定利用
- 1960~1980年代:建築ラッシュとともに使用急増(住宅・ビル・学校等)
- 1980年代後半:徐々に規制強化、代替素材への切替進む
アスベスト規制変遷・法改正 年代別まとめ
健康被害が顕在化し始めた1970年代以降、日本でもアスベスト規制が段階的に強化されました。主な法改正・規制の流れは以下の通りです。
- 1975年:吹付け石綿の使用禁止(建築基準法改正)。ただし既存建物の吹付け石綿は残存。
- 1989年:有害物質として労働安全衛生法で規制開始。
- 1995年:一部アスベスト含有建材(吹付け石綿等)の製造・使用禁止。
- 2004年:アスベスト含有率が1%超の製品使用・製造が原則禁止。
- 2006年:アスベスト含有率0.1%超のほぼ全製品の使用・輸入・販売が禁止。
- 2012年:0.1%超を含む全ての製品の使用・輸入等を全面禁止(完全禁止)。
このため、2006年以前に建てられた建物にはアスベストが含まれている可能性があります。特に1975年以前の建物は、吹付け材などの高濃度使用が多いため注意が必要です。
アスベスト排出量と産業別搬送歴
アスベストの排出量は1970年代後半にピークを迎え、以降は規制強化により急減しました。被害者の多くは、建設業・造船業・工場作業(断熱・耐熱作業)などに従事した方々です。加えて、周辺住民や家族にも被害が及ぶ「二次暴露」も問題となっています。
- 建設業:建材製造、現場解体・補修作業
- 造船業:配管・ボイラーの断熱材
- 鉄鋼・化学工業:高温設備の断熱・耐火材
- 自動車整備:ブレーキライニング・クラッチ板等
年代別アスベスト被害実態と訴訟の流れ
アスベスト被害者は毎年報告されており、特に2000年代以降は労災・損害賠償請求などの訴訟が全国で増えています。
- 1990年代:被害者数の急増(潜伏期間が30~40年のため、1960~70年代の作業従事者が高齢化とともに発症)
- 2005年:クボタショックの社会的影響。周辺住民被害・訴訟が相次ぐ
- 2014年:最高裁で国・企業の責任認定(建設アスベスト訴訟)
- 2021年:建設アスベスト訴訟で国・メーカーの賠償命令確定
これらの歴史をふまえ、現在は国や自治体による健康調査や救済制度も整備されています。
アスベスト研究の変遷
アスベストの危険性は当初軽視されていましたが、1950年代から欧米での健康被害報告が相次ぎ、1970年代には発がん性の国際的認定へと至りました。日本でも1980年代以降、疫学調査や労働衛生研究が進み、リスク評価や飛散防止技術の開発が強化されてきました。近年は住宅診断・除去技術の高度化も進んでいます。
安全なリノベーションのためのアスベストチェックリスト
ご自宅は大丈夫?年代別アスベスト使用の目安
リノベーション・リフォーム時にアスベストの危険があるかどうかは、「建設(竣工)年代」で大きく見分けられます。
- 2006年以降に建築:原則としてアスベスト不使用(ただし、まれに在庫建材の混入リスク)
- 1990~2005年建築:一部アスベスト使用の可能性あり(特に屋根・外壁・床材)
- 1976~1989年建築:多くの建材でアスベストが含まれている可能性高い
- 1975年以前建築:吹付け材・断熱材などに高濃度のアスベスト使用例多数。最も注意が必要
具体的には、新宿区内の築30年以上の戸建てやマンションはアスベスト含有建材のリスクが高いと考えてください。目視だけで判別できないため、専門業者による調査が不可欠です。
アスベストを含む建材・場所の例
- 天井・壁の吹付け仕上げ材
- 外壁材(サイディング、スレートボード等)
- 屋根材(スレート瓦、波板)
- 床材(クッションフロア等)
- 配管の保温・断熱材、ボイラー周り
- ビニールタイル、接着剤(モルタル等)
「古い家だけど、どこに注意すればいい?」と不安な方は、リフォーム前に必ず建物診断を実施しましょう。
安全なリノベーションのための実践ポイント
- 1.事前調査と専門家の診断を必ず行う
アスベストの有無は目視だけでは絶対に分かりません。事前調査(サンプル採取・分析)を必ず行い、専門家のアドバイスを受けましょう。 - 2.無理なDIYは絶対にNG
アスベストは「壊したり削ったり」することで大量に飛散します。自分で解体・撤去・穴開けを行うのは非常に危険です。 - 3.行政(新宿区等)の無料相談・助成制度をチェック
新宿区や東京都では、アスベスト調査や除去工事に助成金制度がある場合も。計画段階で住まいの所在地の窓口に必ず確認しましょう。 - 4.信頼できる専門業者に依頼する
アスベスト調査・除去には、国や自治体の登録業者への依頼が必須です。許可・資格の有無を必ずチェックしましょう。
戸建て住宅で特に気を付けたい注意点
- 増改築・部分リフォーム時も要注意
部分的なリフォームでも、壁や天井の下地・床材を壊す際はアスベスト飛散のリスクがあります。 - 「古い配管・ボイラーの断熱材」も見逃しがち
見えない場所にアスベストが残っている場合もあるため、プロの目で徹底的に確認してもらいましょう。 - 周囲への配慮(ご近所トラブル回避)
アスベスト作業時は飛散・騒音が発生しやすく、近隣住民への説明や安全対策も重要です。
安全なリノベーションを進めるためのチェックリスト
- 建物の築年数を確認する(設計図・登記簿なども参照)
- リフォーム範囲にアスベスト利用箇所が含まれないか確認
- 専門業者による調査・分析結果をもらう
- 除去・解体工事は必ず許可業者に依頼する
- 作業前後の飛散防止対策、廃棄物の適正処理まで確認
- 新宿区や東京都の補助・助成の有無も必ず相談
おすすめ業者・ランキング
- MIRIX(ミリックス)
対応エリア:新宿区(東京都23区全域)
得意分野/特徴:アスベスト調査・除去に特化。徹底した現場診断と安全対策、法令順守で安心のリノベーションサポートを実施。
まとめ:不安を解消し、安全なリノベーションを実現するために
アスベスト問題は「昔の話」ではありません。新宿区のような都市部では、築30年以上経過した戸建てやマンションが今も多く残っています。アスベストの使用年代や規制の変遷、健康被害や訴訟の歴史を正しく知ることで、ご自身やご家族を守るために取るべき行動が明確になります。
リノベーションやリフォームの計画にあたっては、必ず建物の年代とアスベストリスクを確認し、専門業者による事前調査・安全対策を徹底しましょう。
一人で悩む必要はありません。アスベストの不安や疑問は、実績豊富なMIRIX(ミリックス)にお気軽にご相談ください。ご自宅の安全を守り、安心して理想の住まいづくりを実現できるよう、プロの視点から丁寧にサポートいたします。
「もしかして…」と少しでも心配に思ったら、まずは一度専門家にご相談を。未来のために、今できる備えを始めましょう。



