賃貸マンション退去時にかかる費用の相場は?不安を解消する実践ガイドと費用を抑えるコツを紹介
賃貸マンションから退去する際、「思ったより費用がかかるのでは?」「敷金はちゃんと返ってくるの?」「原状回復やクリーニングの見積もりってどうすれば?」など、不安や疑問を持つ方はとても多いです。特に初めての退去経験だと、何にどれだけ費用がかかるのか想像もつかず、業者や大家さんから高額な請求をされるのではと心配になることもあるでしょう。
この記事では、そんな初心者の方に向けて、賃貸マンションの退去時に発生する主な費用の内訳と相場、実際に無駄な出費を防ぐためのポイント、トラブルを未然に防ぐチェックリストなど、実践的な知識をわかりやすく徹底解説します。この記事を読むことで、費用面の不安を解消し、自信を持って退去手続きを進められるようになります。
賃貸マンション退去時にかかる主な費用の種類と内訳
退去時に発生する費用とは?
賃貸マンションを退去する際に発生する費用は、大きく分けて以下の3つがあります。
- 原状回復費用
- クリーニング費用
- その他の費用(鍵交換費用、エアコン清掃費用など)
このほか、契約内容や入居時の状況によっては追加で請求される費用もあるため、事前に内訳を把握しておくことが大切です。
原状回復費用とは?
原状回復費用とは、入居した時の状態に戻すために必要な修繕費用です。ただし、「原状回復」といっても、経年劣化や通常の使用による自然な損耗(壁紙の色あせや床のすり減りなど)は入居者の負担にはなりません。主に以下のような行為で発生した「故意・過失」による損傷部分の修繕が、入居者負担の対象になります。
- 壁や床に大きな傷や穴を開けてしまった
- タバコのヤニ汚れや焦げ跡
- ペットによる柱やクロスの損傷
- 水漏れやカビによるシミ・腐食(適切な換気・掃除を怠った場合)
クリーニング費用とは?
クリーニング費用は、部屋全体の清掃や、キッチン・浴室など特に汚れが残りやすい箇所の専門的な清掃にかかる費用です。多くの賃貸マンションでは、契約書に「退去時にハウスクリーニング費用を負担する旨」が記載されていることが一般的になっています。
- 床・壁・天井の拭き掃除、ワックスがけ
- キッチン、バス、トイレの水回り清掃
- 窓やサッシ、ベランダの清掃
その他の退去時費用(鍵交換など)
以下のような費用が追加請求されるケースがあります。これらは契約内容や物件ごとに異なるため、事前に契約書をしっかり確認しましょう。
- 鍵交換費用(次の入居者のためにシリンダー交換が必要な場合)
- エアコン内部洗浄費用(設置されている場合)
- 照明器具や給湯器の特殊清掃・修理費用
退去時の費用相場を徹底解説
原状回復費用の相場
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、原状回復費用の負担割合や金額は、損傷の内容や面積によって大きく異なりますが、多くの場合、以下のような相場感です(2024年時点の一般例)。
- 壁紙の一部張り替え :1㎡あたり1,000~2,000円
- フローリングの補修 :1ヶ所5,000~10,000円
- タバコのヤニによるクロス全面張り替え:6畳で30,000~50,000円
- ペットによる損傷:内容により10,000円~数万円
ただし、経年劣化や通常使用による傷みは負担不要です。過大な請求には応じないようにしましょう。
クリーニング費用の見積もりと相場
退去時に発生するハウスクリーニング費用の相場は、間取りや広さによって異なります。以下は一例です。
- 1R・1K :15,000~25,000円
- 1DK・1LDK :20,000~35,000円
- 2DK・2LDK :30,000~50,000円
- 3LDK以上 :40,000~70,000円
業者にクリーニング費用の見積もりを依頼する場合は、複数社から相見積もりを取ると安心です。また、クリーニング範囲や作業内容によっても料金は変動するため、どこまでが費用に含まれているかを事前に確認してください。
鍵交換・エアコン清掃などその他費用の相場
その他、よくある追加費用の目安です。
- 鍵交換費用:10,000~20,000円(シリンダーによる)
- エアコン内部洗浄:1台あたり10,000~15,000円
- 照明器具のクリーニング:数千円~
敷金返金の相場と注意点
敷金は、入居時に「部屋の損傷や家賃滞納に備えて預けるお金」として支払われ、退去時に原状回復・クリーニングなどに使われた分を差し引いて返金されます。
- 敷金の返金相場:預けた金額の30~80%程度が戻ることが多い
実際の返金額は、修繕やクリーニングにかかった実費によって異なります。もし「思ったより返金が少ない」と感じたら、明細を請求し、必要に応じて交渉しましょう。不明瞭な請求や過剰な差し引きがないか注意してください。
賃貸マンション退去費用を無駄なく抑えるポイント
1. 契約書・重要事項説明書を必ず確認
退去時のトラブルや予想外の費用発生を防ぐには、入居時に交わした契約書・重要事項説明書の「退去時クリーニング費用」「原状回復費用負担」「敷金返還条件」などの項目をしっかり読み直しましょう。特に以下の点が重要です。
- クリーニング費用の金額・負担者(定額か実費か)
- 原状回復の範囲と、どこまでが入居者負担か
- 鍵交換・エアコン清掃などの費用負担有無
疑問点があれば、管理会社や大家さんに直接確認しましょう。
2. 原状回復の範囲を正しく理解する
原状回復は「入居時の状態に戻す」ことですが、ガイドラインでは経年劣化や自然損耗は入居者の負担外とされています。例えば以下のようなケースです。
- 家具を置いていた部分の床の凹み
- 日焼けによる壁紙の変色
- 冷蔵庫裏の黒ずみやコンセント周りの汚れ
これらは大家さん側の負担となります。もし過剰な修繕費用を請求された場合は、国土交通省のガイドラインを根拠に交渉しましょう。
3. 退去前に自分でできる掃除や修繕を徹底
退去前に、できる範囲で部屋の掃除や簡単な修繕をしておくと、クリーニング費用や原状回復費用の軽減につながる場合があります。
- 床や壁の軽い汚れを拭き取る
- 水回りのカビ・水垢をしっかり落とす
- シール跡やクレヨンなど、落とせる汚れは自力で落とす
ただし、無理に自分で修理しようとして悪化させると、逆に費用が高くつくこともあります。自信がない場合は無理せず、専門業者に相談しましょう。
4. クリーニング費用の見積もりは相見積もりを取る
もしハウスクリーニングを自分で手配できる場合は、複数社から見積もりを取りましょう。どこまでがサービス範囲か、追加費用が発生するケースは何かも事前に確認しておくと安心です。管理会社指定業者でなくてもOKな場合もあります。
5. 退去立ち会い時のチェックポイント
退去の際は、管理会社や大家さんと一緒に「立ち会い」を行い、部屋の状態を確認します。この時に、修繕箇所やクリーニング範囲について納得いくまで説明を受け、不明点は必ず質問しましょう。スマホで写真を撮って証拠を残しておくのも有効です。
安心して退去するためのチェックリスト
退去時の不安を減らすために、以下のチェックリストを活用しましょう。
- 契約書・重要事項説明書を再度確認した
- 原状回復・クリーニング費用の負担範囲を理解した
- 敷金返金の条件・流れを把握した
- 必要に応じてハウスクリーニングの見積もりを取った
- 退去立ち会いの日程を管理会社と調整済み
- 自分でできる掃除・片付けは済ませた
- 修繕が必要な箇所があれば事前に報告・相談した
- 立ち会い時に写真を撮る準備をした
- 費用明細や請求書は必ずもらうことを確認した
- 不明点や疑問は管理会社に必ず質問した
退去費用トラブルを防ぐための注意点
不明瞭な請求には必ず明細を請求する
「まとめて○万円」といった一括請求には必ず内訳(明細)を請求しましょう。明細書で納得できない部分は詳細の根拠(見積書や修繕業者の請求書など)を確認してください。
ガイドラインや消費者センターも活用
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(国土交通省公表)は、退去費用の負担範囲について明確に定めています。明らかに高額な請求や納得できない場合は、ガイドラインを確認し、消費生活センターなど公的機関へ相談するのも有効です。
敷金トラブルは交渉で解決できる場合も
敷金返金トラブルの多くは、コミュニケーション不足や誤解から発生しています。まずは冷静に根拠資料を求め、納得できなければ交渉しましょう。第三者(消費生活センターや専門家)に相談するのもひとつの手です。
まとめ:退去費用の不安をなくし、安心して新生活を始めよう
賃貸マンションの退去時は、不安や疑問が多くなるものですが、事前に「費用の相場」や「無駄な出費を防ぐポイント」を押さえておけば、トラブルを回避し安心して退去できます。まずは契約内容をしっかり確認し、原状回復の範囲やクリーニング費用の見積もりも納得するまできちんと確認しましょう。敷金返金や追加請求についても、明細や根拠資料を求め、必要に応じて交渉する姿勢が大切です。
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